高木マニア堂
何となく思いついたこと、目についたことをツラツラと…。
079:タイガーマスク外伝③~模型を奪い合う男たち
2010年02月25日 09:00 | フォルダ : テレビ
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<2007年4月=東スポ携帯サイトより>
原爆の悲惨さを訴えるマンガ作品は数多い。名作「はだしのゲン」(中沢啓治作)はもとより、最近では間接的にヒロシマの悲劇を描いた「夕凪の街 桜の国」(こうの史代作)が大反響を呼んでいる。
われらがタイガーマスクでも第50話「此の子等へも愛を」で、原爆の悲惨さを訴えかけているが、どうにも妙な場面が多く、原爆の悲惨さよりも、そちらの方が印象に残ってしまう異色作となっている。
まず物語は「第13回ワールドリーグ戦」の巡業で広島を訪れた吉村、猪木、坂口、タイガーの4人が試合前に「広島平和記念館」を見学している場面から始まる(馬場はインター王座防衛戦のため渡米中という設定)。
特に原爆の悲惨さが胸に突き刺さったタイガーは一行と別れると、さっそくホテルに戻り、原爆の悲惨さを訴えるべく、ちびっこハウス宛に手紙をしたためるが、どうにもうまく想いを伝えられずイライラするばかり。
そんな時、散歩中の猪木がホテルへと帰館。やたらと精巧な原爆ドームの模型を手にしており、周囲にそれを自慢しまくっている様子だ。
「凄く精巧に出来ているな。どこで手に入れたんだ?」(吉村)
「いいな。どこで売ってたんです?譲りませんか?オレに」(坂口)
「冗談言うな!誰にもやるかい」(猪木)
などの会話が聞こえてくる。
この模型ならば、ハウスの子どもたちに原爆の悲惨さを伝えられると考えたタイガーも「譲って下さい」と猪木に懇願するが、アッサリと拒否される。あまりモノに執着しないタイプの猪木が、なぜにこれほど原爆ドームの模型に執着しているのかは不明。坂口までもが、この模型に執心なのもサッパリ謎だ。この精巧
な模型に永久電池のヒントでもあったのか?
タイガーは猪木から聞き出した販売店に向かうも売り切れ…。その模型は、手作りのため1日に1個の製造、販売しか可能にならないのだった。何とか製造元を聞き出したタイガーは、狭く粗末な長屋を発見。中では夫婦2人が原爆ドームの模型製造に精魂込めている。赤ん坊のオシメを取り替えるヒマもなく、また製造道具で部屋が埋まるため、日中は子どもを家から追い出すしかないという状況だ。
1日1個は問屋に降ろすことが鉄則のため、タイガーの「製造元から直接買い作戦」も轟沈。失意のタイガーが広島の街で、偶然にもその製造元の子ども(兄妹)と出会うことから物語は転がって行く。日中は家に帰れないため、晴れた日は公園で、雨の日は広島駅の待合室で遊び、常に腹をすかせて「家庭の味」に飢えている子どもたちのため、タイガーが一肌脱ぐことになるのだった。
何とか販売店で模型を予約注文したタイガーが広島駅に急ぎ、日本プロレス一行の待つ鹿児島行き列車に乗り込むと、何と猪木だけが反対ホームの東京行き列車に乗っているではないか…。猪木は急きょ、米国内でインタータッグ王座防衛戦(パートナーは馬場)が決定したため、Wリーグ戦を棄権して渡米することになったのだ。
猪木は「後は頼んだぞ!」と、Wリーグ戦の優勝をタイガーに託す。散々、原爆ドームの模型を自慢するわ、Wリーグ戦は途中棄権してしまうわ、身勝手で無責任な男という印象しか残らないのだった。
ちなみに現実世界での「第13回ワールドリーグ戦」(1971年)は、馬場がブッチャーを破り優勝。デストロイヤーと引き分けて決勝戦に進めなかった猪木は試合後に突如、馬場への挑戦をブチ上げている。
やっぱり身勝手だ…。

原爆の悲惨さを訴えるマンガ作品は数多い。名作「はだしのゲン」(中沢啓治作)はもとより、最近では間接的にヒロシマの悲劇を描いた「夕凪の街 桜の国」(こうの史代作)が大反響を呼んでいる。
われらがタイガーマスクでも第50話「此の子等へも愛を」で、原爆の悲惨さを訴えかけているが、どうにも妙な場面が多く、原爆の悲惨さよりも、そちらの方が印象に残ってしまう異色作となっている。
まず物語は「第13回ワールドリーグ戦」の巡業で広島を訪れた吉村、猪木、坂口、タイガーの4人が試合前に「広島平和記念館」を見学している場面から始まる(馬場はインター王座防衛戦のため渡米中という設定)。
特に原爆の悲惨さが胸に突き刺さったタイガーは一行と別れると、さっそくホテルに戻り、原爆の悲惨さを訴えるべく、ちびっこハウス宛に手紙をしたためるが、どうにもうまく想いを伝えられずイライラするばかり。
そんな時、散歩中の猪木がホテルへと帰館。やたらと精巧な原爆ドームの模型を手にしており、周囲にそれを自慢しまくっている様子だ。
「凄く精巧に出来ているな。どこで手に入れたんだ?」(吉村)
「いいな。どこで売ってたんです?譲りませんか?オレに」(坂口)
「冗談言うな!誰にもやるかい」(猪木)
などの会話が聞こえてくる。
この模型ならば、ハウスの子どもたちに原爆の悲惨さを伝えられると考えたタイガーも「譲って下さい」と猪木に懇願するが、アッサリと拒否される。あまりモノに執着しないタイプの猪木が、なぜにこれほど原爆ドームの模型に執着しているのかは不明。坂口までもが、この模型に執心なのもサッパリ謎だ。この精巧
な模型に永久電池のヒントでもあったのか?
タイガーは猪木から聞き出した販売店に向かうも売り切れ…。その模型は、手作りのため1日に1個の製造、販売しか可能にならないのだった。何とか製造元を聞き出したタイガーは、狭く粗末な長屋を発見。中では夫婦2人が原爆ドームの模型製造に精魂込めている。赤ん坊のオシメを取り替えるヒマもなく、また製造道具で部屋が埋まるため、日中は子どもを家から追い出すしかないという状況だ。
1日1個は問屋に降ろすことが鉄則のため、タイガーの「製造元から直接買い作戦」も轟沈。失意のタイガーが広島の街で、偶然にもその製造元の子ども(兄妹)と出会うことから物語は転がって行く。日中は家に帰れないため、晴れた日は公園で、雨の日は広島駅の待合室で遊び、常に腹をすかせて「家庭の味」に飢えている子どもたちのため、タイガーが一肌脱ぐことになるのだった。
何とか販売店で模型を予約注文したタイガーが広島駅に急ぎ、日本プロレス一行の待つ鹿児島行き列車に乗り込むと、何と猪木だけが反対ホームの東京行き列車に乗っているではないか…。猪木は急きょ、米国内でインタータッグ王座防衛戦(パートナーは馬場)が決定したため、Wリーグ戦を棄権して渡米することになったのだ。
猪木は「後は頼んだぞ!」と、Wリーグ戦の優勝をタイガーに託す。散々、原爆ドームの模型を自慢するわ、Wリーグ戦は途中棄権してしまうわ、身勝手で無責任な男という印象しか残らないのだった。
ちなみに現実世界での「第13回ワールドリーグ戦」(1971年)は、馬場がブッチャーを破り優勝。デストロイヤーと引き分けて決勝戦に進めなかった猪木は試合後に突如、馬場への挑戦をブチ上げている。
やっぱり身勝手だ…。
プロフィル
高木圭介のプロフィル
昭和44(1969)年6月4日、神奈川県川崎市生まれ。かつてジャイアント馬場さんも暮らした新丸子の街
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