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きょうのコラム「時鐘」 2010年2月25日
首相公邸には伝説がある。二・二六事件で流血の現場となった旧公邸には、幽霊が出るというのが有名だった
こんなのもある。政権を取って公邸に入ったある首相が「風呂はよく洗っておけ」と命じたという。前任の首相を指して「あいつはきたないからな」とうそぶいたと言うのである。もちろん伝説に過ぎないから、だれが言ったか定かではない 古い公邸伝説を思い出したのは、鳩山首相夫妻が公邸に引っ越す際の内装補修や備品購入費が474万円かかったとの政府答弁書が出たからである。その中に、首相夫人が「麻生前首相の入った風呂には入りたくない」との理由で改修させたのではないかとの自民党議員の質問があった 風呂場の改修は否定したが「浴槽の清掃はした」と答弁書にあったという。風呂の清掃ぐらいは当然だろう。が、5年前に大改装したばかりの公邸に474万円の補修費がかかった事実には、いろいろな意見が出るだろう 問題は、伝説のたぐいの話が「あの人ならあり得る」と思わせるところにある。これも鳩山さんの「不徳のいたす」ところかもしれない。 |