望 〜都の空から
東京の魅力や四季の彩り、さらに課題も空撮で紹介します
【政治】『全会一致』に政府困惑 首相 民意尊重…でも『県内』排除せず2010年2月25日 朝刊 沖縄県議会が全会一致で可決した米軍普天間飛行場の国外・県外移設を求める意見書。政府は県議会の総意を軽視するわけにはいかないが、国外・県外に有力な移設先候補のあてもなく、重苦しい空気に覆われた。 (関口克己) 政府にとって、沖縄県議会が県外・国外移設を求めているのは織り込み済みとはいえ、こうした意見書の可決は初めて。仲井真弘多知事も「県外移設を実現してほしい」と歩調を合わせたことで、県民の総意をあらためて突きつけられた格好となった。 だが、鳩山政権が決着期限としている五月末までに、米国も同意する新たな移設先を沖縄県外で見つけられる可能性が低いことも事実だ。 政府はすでに、米軍キャンプ・シュワブ陸上部(沖縄県名護市)案を非公式に米側に打診。国民新党はこれに加え、米軍嘉手納基地(嘉手納町など)統合案も候補としている。 鳩山首相は二十四日夜、意見書について「沖縄県民の皆さんの民意の一つの表れだと解釈すべきだ」と尊重する考えを示した。同時に「いろいろ考えている選択肢の中から、どれがベストかを検討していく」と述べ、県内移設を排除しない姿勢は変えなかった。 平野博文官房長官は二十日に仲井真知事と会談した際、「県外移設がベスト」と求められ「ベターになるかも」と、県内移設の可能性を伝えていただけに、県議会の意見書に困惑を隠せなかった。記者会見で全会一致の意見を斟酌(しんしゃく)するかと問われると「コメントしません」と素っ気なく答えるしかなかった。 県議会の総意に意を強くした社民党の福島瑞穂党首は記者会見で「県外、国外(移設)をこの内閣で実現すべきだ」と主張した。ただ、政府内には社民党の反発を振り切って、県内移設での決着に踏み切るべきだとの意見も強まりつつあり、混迷は深まるばかりだ。
|