2010.2.18 05:00
米自動車大手フォードの創業者のひ孫であるビル・フォード会長は、同じく創業者の血を引くトヨタ自動車の豊田章男社長が、今回のリコール問題を自らの個人的な危機としてとらえていると確信している。
同会長は16日、取材に応じ、「フォードに何か起こった場合、それは良きにつけ悪しきにつけ必ず私個人の身に降りかかってくる。豊田社長も同じように感じているはずだ。他の人であれば、こうした危機に見舞われたときにはその職を辞し、また別な仕事をすることもできるだろう。しかし、社名に自分の名を掲げ、会社の歴史と情熱を受け継いでいる立場の人間は、その責任から逃れられないのだ」と説明した。
豊田社長は、米紙ワシントン・ポストの2月9日付のコラムにコメントを寄せ、意図しない加速を引き起こすとされる不具合について「責任は自分自身にあり、深く落胆している」との認識を表明している。
トヨタの起源は1937年にさかのぼる。豊田社長の祖父、喜一郎氏が、父の創業した豊田自動織機製作所に自動車部門を開設したのが始まりだ。昨年社長に就任した章男氏は現在53歳。52歳のフォード会長とは、トヨタ経営陣の訪米中、顔見知りになったという。両氏ともに誕生日は5月3日。豊田社長を「尊敬に値する一流の経営者」と評価するフォード会長は、同氏に対し今回のリコール問題についての助言は一切与えていないとした上で「もう少し落ち着いてから、ゆっくり話をしてみたい」との思いを明らかにした。