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公明党が鳩山政権ににじり寄り 首相も秋波 露骨な自民離れ
公明党の山口那津男代表は24日、鳩山由紀夫首相と首相官邸で会談し、介護施設待機者解消や、低年金・低所得者の利用者負担の見直しなど12項目の政策提言「新・介護公明ビジョン」を提出した。公明党は“野党暮らし”に焦りを募らせているようで、自民党をジワジワと遠ざけ、政府・与党ににじり寄る姿勢が鮮明になってきた。
「われわれが調査結果をもとに政策提言にまとめました。お渡しします」
山口氏がやや緊張気味に提言を差し出すと、首相は「大いに参考にしたい。具体的な内容を早速検討するよう厚生労働省に促したい」とにこやかに応じ、速やかに長妻昭厚生労働相を呼んで検討を指示した。
山口氏の政治資金規正法改正に向けた与野党協議機関設置の求めにも、首相は「民主党として早急に立ち上げたい」と応じた。
首相の思わせぶりな態度に山口氏は大喜び。その後の記者会見では、他の政策課題についても「政府から呼びかけがあれば、積極的に対応したい」と述べ、鳩山政権への協力姿勢をアピールした。
「福祉の党」を掲げる公明党は、社会保障政策で「大きな政府」志向が強く、自民党より民主党に近いといわれてきた。党内人事では民主党の小沢一郎幹事長に近いとされる市川雄一元書記長を常任顧問に起用するなど「民主党シフト」を取りつつあり、今回のトップ会談もその一環との見方は強い。
今回の政策提言でも、自公政権で平成24年3月の廃止方針を決めていた介護療養型医療施設を「倍増」と明記するなど自民党離れは露骨になっている。山口氏は、自民党の審議拒否戦術を「審議に応じないのは国民の期待に反するのではないか」と批判してみせた。
公明党は18日には、みんなの党と公務員制度改革や地域主権型道州制の導入で政策協議を行うことで一致した。みんなの党と足並みをそろえ、「改革の党」をアピールし、第3勢力としての存在を高めたいとの思惑も透けてみえる。