【事務所報告】桜井淳の2010年2月の実施事項【メルマガ会員限定情報】

Mon, February 01, 2010 Theme: ブログ stanford2008の投稿

2010年2月の実施事項


(1)1日、日本原子力学会会合での講演内容。「いまでも日本原子力学会のふたつの研究専門委員会にかかわっています。立場上、過去数回、委員会の設置や延長手続きのために、学会の企画委員会に出席して、趣旨説明や質疑応答に対応してきました。昨年2月に学会会議室で企画委員会が開催され、延長手続きの説明をしました。わずか10名程度の小さな企画委員会の委員長は原子力機構原子力基礎工学部門長の小川徹氏でした。小川氏は、昔、原研の材料分野の研究者でしたが、分野が異なるために、組織内や学会の会合で顔を合わせたことはなく、どのような思考の持ち主かまったく知りませんでした。企画委員会でのやり取りが最初でした。小川氏は、事前に関係議事録に目を通して問題把握をしておらず、木に竹を接ぐような議論をし、議事進行においても表現にトゲがあり、自己中心の攻撃型であって、東大の先生のようなそつのなさが感じられませんでした。一流ではないと感じました。それどころか、これまで、私の運営する研究専門委員会への的外れの介入等、裏で何かしているとの不信感を持っていました。小川氏は、学会の30くらいの特別研究専門委員会・調査委員会・研究専門委員会の主査の任期を5年くらいにしたいと主張していました。大変良いことですが、小川氏は、企画委員会委員長を2年間務めたにもかかわらず、言行不一致で、学会の委員会の主査任期が多くの委員会で約10-20年間に達しているものすら放置したままでした。委員会の設置や延長は企画委員会の承認事項です。10-20年間というのは異状です。世の中の人達は驚くことでしょう。私も不自然と感じています。学会のためにも考え直さねばなりません。学会の活性化を図るには理事・各種委員会の委員長ないし主査は"40-55歳台二期4年以内"とした方が良いように思えます。」


(2)2日、朝日新聞社論説室より1月29日に発生した東海道新幹線停電事故についてのインタビューを受ける。関連する社説は4日付に掲載されていました。


(3)6日、原子力関係者への森一久氏ご逝去についてのメール。「元原産会議副会長の森一久氏が2月3日に肺炎のため84歳で逝去いたしました(「朝日新聞」2010.2.5付の訃報欄参照)。私は、彼が専務理事の時、原研材料試験炉部計画課兼企画室勤務で、1年間、嘱託として彼の補佐役を務めました。1日の行動の裏の裏まで把握することができました。彼は、私に、「佐藤一男や村主進はどこまで本気なのか」とマジで言っていました。その
意味は、"オレは命がけで推進に努めているが、彼らはどこまで本気なのか"という意味です。私が、"もうすぐ原子力委員会委員就任ですね"と言ったところ、「バカにするな」とマジで怒っていました。いつでも、原子力委員会委員に就任できたのでしょうが、固辞し続けたのでしょう。実際には、原子力委員会委員よりも原産会議の職位の方が影響力が大きいと判断したのかもしれません。原産会議で個室を持っていたのは会長と森さんと私だけでした。私は、ずっと原産会議で影響力を持ち続けることはできましたが、1年間で辞退いたしました。原因は、私が予想以上に売れっ子になったため、原産会議にとどまることがマイナスになったためです。私が、辞めたいと言った時、森さんは激怒していました。原研ばかりか原子力産業界からも距離を置いたことによるプラス・マイナスはありましたが、技術評論家として身を立てるには、距離を置かざるを得ませんでした。」


(4)8日、今年の発表予定論文。

①日本ユダヤ学会論文誌「ユダヤ・イスラエル研究」原著論文1編(イスラエルの核の政治構造)

②米科学社会学学会口頭発表1件(Criteria of National Project on Domestically Developed Power Reactors and Nuclear Cycle Technology in Japan and Proposal of a New Evaluation Model)

③科学技術社会論学会口頭発表1件(物理学者アルビン・ワインバーグが提案したトランス・サイエンスの歴史構造)

④Joint International Conference on Supercomputing in Nuclear Application and Monte Carlo 2010(SNA&MC2010)口頭発表1件・報文集論文1編(Monte Carlo Research Activities Performed in Special Research Committee of Atomic Energy Society of Japan)

⑤欧州科学技術論連合実質的論文誌"Social Studies of Science"原著論文1編(Criteria of National Project on Domestically Developed Power Reactors and Nuclear Cycle Technology in Japan and Proposal of a New Evaluation Model)

⑥日本原子力学会和文論文誌総説1編(日本原子力学会「最適モンテカルロ計算法」研究専門委員会成果報告論文(企画・分担執筆・編集担当))(陽子及び炭素イオン医療照射によるモンテカルロ法による患部線量評価の現状と課題)


(5)13日、2/22-23の六ヶ所村施設訪問について日経論説委員へのメール。「(1)ここ数年、原子力ナショナル・プロジェクト(ウラン濃縮・再処理・新型転換炉・高速増殖炉)について、動燃技報の文献調査、さらに、電事連・東電・日本原燃への聞き取り調査をしてまいりました。動燃設立によるナショナル・プロジェクトの発足から40年経った今でも、どれひとつ経済性を有する商業技術に進展しておらず、ナショナル・プロジェクトは、失敗したと言えるでしょう。原子力技術の日本と欧米の差はいまでも四半世紀くらいあるでしょう。日本の原子力技術は、欧米のゲタを履いて、一人前に振舞っているだけであり、独自の商業技術を生み出すだけの実力は、ありません。(2)
動燃再処理工場では、硝酸に溶けない白金族元素が配管内面に付着し、配管の閉塞現象を起こしておりました(当時、「日経産業新聞」に書きました)。そのため、六ヶ所村再処理工場ではそのような対策がなされているのか調査するため、1995年と2006年に現地を訪問し、聞き取り調査を実施してきました。実際には、試行錯誤の状態で、世界的に解決されていないのが現状です。今後、世界的に、いまの倍の燃焼度に高めることになっており、それによって核分裂生成物に占めるより多くの白金族元素が生成されます。高燃焼度燃料の再処理の問題は今後表面化することになるものと推察されます。(3)六ヶ所再処理工場では、動燃技報に記された動燃ガラス固化体施設での経験と留意事項を無視し、運転延期の不祥事を起こしました。六ヶ所村のガラス溶解炉は、動燃のそれの6倍もあるため、まったく同じ構造では対応できず、上面の耐火レンガの内面にも耐熱材のインコネルで覆い、熱による耐火レンガの劣化による落下を防止するような対策が施されなければならないと思います2/22-23の現地訪問では、そのような対策を施す予定があるか否か、調査する予定です。(4)六ヶ所村のウラン濃縮遠心分離器は、20年経ち、ほぼすべて寿命や故障によって、停止状態にあり、新型遠心分離器を収める建
屋の建設や遠心分離器設置が進められております。予定規模の数倍から10倍くらいに拡張しないと欧米並みの濃縮ウラン流通価格にならず、新型遠心分離器を設置しても、いまの規模のままでは、これまでの欧米価格の3倍から1.5-2倍くらいに改善できるくらいでしょう。新型遠心分離器の詳細は、機密事項ですが、2/22-23には、現物を近くで見せてもらおうと考えております。電事連や日本原燃で聞き取り調査しても、ウラン濃縮工場の規模(生産能力)がどのような制限条件で決められているのか不明です。米国の原子力政策による制限ではないことは電事連への聞き取り調査で確認してありますが、それでは何が原因なのか、2/22-23の現地調査で明らかにしたいと考えております。以上、ご参考までに」


(6)18日、「週刊エコノミスト」編集部へ「もんじゅ」試運転再開についての原稿提出。


(7)20日10:00-11:00、茨城県民文化センターへNHK教室作品展へ。


(8)20日11:00-12:00、茨城県近代美術館で「」へ。


(9)22日8:06水戸駅から「スーパーひたち14」で上野駅へ、9:20-10:30浅草寺とすぐとなりの約20の寺訪問・写真撮影。


(10)22日11:0-11:30、増上寺訪問・写真撮影。


(11)22日12:00-13:00、JR新橋駅近くの喫茶店prontで「週刊エコノミスト」編集部と打ち合わせ。


(12)22日13:00-14:00、JR新橋駅近くの喫茶店prontで朝日新聞社編集者と打ち合わせ。


(13)22日14:56、JR東京駅から東北新幹線「はやて23号」で八戸へ、東北本線で三沢市へ。


(14)23日8:30、三沢市から六ヶ所村の日本原燃へ、15:00に三沢市へ戻り、


(15)八戸から東北新幹線「はやて22」で上野駅へ、上野駅から19:30発「フレッシュひたち57」で水戸へ。


(16)24日、現地訪問に対する日本原燃へのお礼のメール。「サイクル機構が担当したガラス溶融炉の開発は、原型技術の開発段階であり、問題点の摘出に努めていたように思えます。日本原燃によるガラス溶融炉技術の商用技術化には、解決しなければならない課題が残されておりましたが、模擬試験装置を設置して対策に自由度を設けるなど、解決すべき課題があることを読み取れる進め方であることが分かりました。ガラス溶融炉上面からの耐火レンガの落下原因が、本日発表された下原因だとすると、耐火レンガの改善をしないと、同様の不具合が繰り返されるように思えます。抜本的な対策を期待いたします。」


(17)27日10:00-17:00、第5回自然探訪セミナー開催。


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