ホーム > スポーツ > スポーツ最新紙面記事

貴改革第1弾!新弟子に「土俵祭」出席指令

 日本相撲協会の理事に就任した貴乃花親方(37)=元横綱=の“改革第1弾”が23日、明らかになった。新弟子に相撲の作法を教える相撲教習所所長の立場から、毎場所初日の前日に行われる「土俵祭」という儀式に新弟子を出席させることを発案し、理事会で承認された。本場所の土俵を体感させることと礼節を学ばせることが目的で、夏場所(5月9日初日)の土俵祭(5月8日)から実施される。

  ◇  ◇

 新理事にとって、はじめの一歩は新弟子たちの意識改革だった。「前相撲の新弟子たちは、まだまだ本土俵に慣れていないし、戦ったことも少ない。そういった人が本土俵を見るのは重厚な意味がある」。貴乃花親方は土俵祭に新弟子が出席する意義を力説した。

 「土俵祭」とは、新しく作られた土俵の地鎮祭のような位置付けの儀式だ。立行司が祭主となり、神酒や「洗米・するめ・昆布・塩・かやの実・かち栗」の六品からなる「鎮めもの」を土俵に奉納し、15日間の無事を祈る。従来は理事長や協会の幹部役員、審判委員、行司らが出席し、厳かな雰囲気で行われる。

 あえてそこに右も左も分からない新弟子を同席させるのは、土俵祭を通じて相撲の歴史や文化をたたき込むため。『力士の品格』を若いうちに植え付けるという狙いもある。理事になる前から、角界のよき伝統を重んじることを強調していた貴乃花親方は「礼に始まり、礼に終わるということを知ってもらえれば」と効果を期待する。

 この日の理事会後に行われた師匠会では自らマイクを取って、「文化はそういうものだと知ってもらいたい」と説明したという。協会の改革と呼ぶには地味な政策かもしれない。だが、親方は「小さなことからコツコツと、ですね」と西川きよしばりに力を込めた。

(2010年2月25日)
Copyright(C) 2007 Daily Sports All Rights Reserved.
ホームページに掲載の記事、写真などの無断転載、加工しての使用などは一切禁止します。ご注意下さい。
当サイトは「Microsoft Internet Explorer 4.x」「Netscape Navigator/Communicator 6.x」以上を推奨しています
Email : dsmaster@daily.co.jp