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心斎橋カジュアル衣料通り…0.6キロに6店 量販攻勢

ファストファッション 商品回転速く急成長

 今春以降、大阪・心斎橋にカジュアル衣料の量販店が集結する。27日にポイントの大型店、3月6日に「ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M)」が相次ぎ開店する。今秋にユニクロがオープンすれば距離にして0・6キロの間に大型6店舗がひしめく。若者向け衣料に力を入れ始めた近隣の大丸と業態を超えた競争も激化しそうだ。デフレ経済を象徴するように、東京・銀座とともに、東西の代表的な商業地で値頃感のある「ファストファッション」の存在感が高まっている。

(井岡秀行)

 ファストファッションは、ハンバーガーなどファストフードになぞらえた言葉だ。日本では「ユニクロ」が代表格だが、国内617店舗、海外31店舗を構えるポイントも10年2月期の連結売上高の見通しが06年2月期の倍近くの970億円と急成長を遂げている。

 ポイントは若い女性向けなどの「ローリーズファーム」「グローバルワーク」といったブランドを持ち、それぞれが駅前などに小型店舗を展開してきた。27日に心斎橋筋商店街に開店する約900平方メートルの大型店「コレクトポイント」は、これらのブランドを一堂に集めた大型店で、東京・原宿に続き、西日本では初出店。一人の来店客が1回の買い物で購入する金額は5000円程度と価格は抑えめだ。

 一般に百貨店の衣料品の多くは、開発から店頭に並ぶまで半年程度かかるが、ポイント各店には1週間ごとに新商品が届き、店頭の商品は「ほぼ1か月で大半が入れ替わる」(経営企画室)。月に1度、全国から店長が集められ、丸1日かけて新商品について意見を交わす。各店長はアルバイト店員からも売れ筋商品の動向についてアイデアを募る。変化の早い顧客の好みを2か月程度で商品に反映させるスピードが急成長を支えている。

 競合するスウェーデンのH&Mは3月6日に西日本で初めて約900平方メートルの大型店を開く。スペインの「ザラ」は心斎橋に2店舗を構える。06年に1店舗目、07年に近畿地区の旗艦店として約1100平方メートルの大型店を開店した。ユニクロもすでに1店舗あるが、今秋に2店舗目を開店予定だ。

 これに対し、近隣の大丸心斎橋店は09年秋に旧そごう心斎橋本店を改装オープンした北館(地下1〜2階)で、若い女性向けの衣料品・雑貨のテナントを集めた売り場「うふふガールズ」を作った。近くにカジュアル衣料の量販店が増えることで、地上1〜2階にも若者向きのテナントを誘致する。

 高級ブランド店が集まる東京・銀座では、ブランドが消費者に浸透したことに加え、地価の下落も追い風となり08年ごろから、ザラ、H&Mなどのカジュアル衣料の量販店が出店した。心斎橋地区では、御堂筋沿いを中心に、90年代から「エルメス」や「ルイ・ヴィトン」など高級ブランドが集まったが、カジュアル衣料の量販店の進出で、客層が一段と若返り、街の雰囲気も変わりそうだ。

2010年2月23日  読売新聞)

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