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映画「オーシャンズ」の賛同団体にシー・シェパード 関係者も困惑
クジラなど海洋生物を描き人気を博しているフランス映画「オーシャンズ」の最後に、環境保護を標榜(ひようぼう)しながら暴力的な調査捕鯨妨害を繰り返す米団体「シー・シェパード」(SS)の名前が賛同団体の一つとして紹介されることが、鑑賞客の間で論議を呼んでいる。保護者同伴の子供料金が500円と格安に設定されていることから家族連れの鑑賞客も多いが、「子供に見せてもいいのか」という声も上がり始めている。(菅原慎太郎)
オーシャンズはクジラやサメ、アシカ類など海洋生物の姿を描いたドキュメンタリータッチの映画で、米アカデミー賞の受賞経験もあるジャック・ペラン氏らが共同監督を務めた。1月22日から全国で公開中で、昨年10月の東京国際映画祭でも特別招待作品として上映され、鳩山由紀夫首相と幸夫人も鑑賞した。
作品の最後に出演者や制作スタッフ、協力団体などを流すエンドロールには、SSの名前が英語で出てくるうえ、作品中にクジラ類のシーンが多いことなどから、鑑賞客から「日本人に対する攻撃や反捕鯨のメッセージがあるのか」と疑問の声が上がっている。
配給元の映画配給会社「ギャガ」(東京)によると、SSは「海の命を守りたい」という作品の考え方に賛同している複数の団体の一つとしてクレジットされただけで、制作協力などはしていないという。
同社の担当者は「制作者側は反捕鯨のPRや特定の国を攻撃する意図は全くないと言っている。SSの映画だと誤解されたとすれば悲しい。海の素晴らしさを多くの子供に見てもらうことはいいことだと思う」と困惑気味だ。
一方、たびたびSSの暴力にさらされてきた捕鯨関係者は「『自然』や『環境保護』の美名の下に潜んでいるSSは許せない」と改めて怒りを募らせている。