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【主張】内閣支持率 政治の安定へ実績重ねよ
人柄は良いが、政策やリーダーシップとなるとどうか。国民はそんな視線を福田康夫新首相に向けている。
産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の合同世論調査で、福田内閣は55.3%の支持率を得た。
1カ月前、内閣改造で若干持ち直した安倍晋三内閣の支持率38.0%から大きく上昇し、首相交代により政権の危機は一段落した格好だ。
内閣支持の最大の理由は、「人柄」にある。混乱が続いた政治に、落ち着きを取り戻してくれそうだという見方だろう。半面、政策面ではまだ大きな期待を持たれていないようだ。
格差是正の圧力が高まる中、改革路線との両立を図りながら、着実に実績を重ねていく姿勢が欠かせない。
安倍前首相と比べて、福田首相の方が人柄や政治の進め方で期待できるとの見方は多い。ただ、指導力については安倍氏との比較では期待されているものの、民主党の小沢一郎代表には大きく後れをとっている。
経済政策について、安倍内閣より期待できないとの見方がやや多かった。改革路線を継承する一方で、格差是正に取り組むという主張にも、まだ具体性がないことへの評価だろう。
多くの閣僚が再任され、内閣の顔ぶれが「かわりばえしない」といった見方が多いのはやむを得まい。むしろ、自民党新三役など執行部人事で派閥領袖を並べた結果、古い自民党に戻った印象を3人に2人が抱いていることを、重く受け止める必要がある。
政治とカネをめぐり、「1円以上の領収書」の添付義務付けを大多数の人が支持している。政治活動の自由を声高に叫べるほど、政治家が信頼されていない点を認識すべきだろう。
インド洋で海上自衛隊が行う補給活動については、延長に賛成する意見が過半数となった。国民の関心は高まっており、政府は補給活動の延長が国際社会の一員としての責務であり、日本自身の国益につながることを引き続き訴えていくことが肝要だ。
スタート時の支持率が高かった割に、長期政権になると予想する人は多くない。半年以内に衆院解散・総選挙を求める意見も多数派である。新首相にとって、立て直しのために国民から猶予された時間は長くはない。