トヨタの豊田社長、事故に関し「深く謝罪」=証言原稿
[ワシントン 23日 ロイター] トヨタ自動車(7203.T: 株価, ニュース, レポート)(TM.N: 株価, 企業情報, レポート)の豊田章男社長は24日の米議会証言用原稿で、トヨタ車の安全性問題で生じた事故に関して「深く謝罪する」と述べるとともに、リコール対応に関する一連の改善策を明らかにした。
社長は「われわれは、社員や組織を開発する上で可能なペースを超える成長を追及した。そのことを真摯(しんし)に受け止める」と認めた上で「それが結果として、今日われわれが直面するリコールという安全性問題につながったことは遺憾であり、トヨタ車を運転する人が経験したあらゆる事故に関し深く謝罪する」と述べた。
米国で過去数カ月に発生したトヨタ車のリコールは600万台を超えるが、その引き金の一端となったのは2009年8月、当時カリフォルニア州高速警備隊員だったマーク・セイラー氏と家族3人が死亡したレクサス事故だった。
豊田社長は同氏の残された家族に対し個人的に謝罪。「ご家族に対し心よりお悔やみを申し上げるとともに、あらためてご冥福をお祈りしたい。このような悲劇が二度と起きないようできる限りのことを行う」と述べた。「トヨタは顧客の信頼回復に向け、絶えず精力的に取り組むことを個人として約束する」とした。
品質管理が日本の技術チームに一元化されていたことが対応の遅れを招いたとの批判に応え、将来のリコールに関する決定を本社技術チームから切り離す方針を明らかにした。
顧客の苦情が安全性をめぐる決定に一段と迅速かつ完全に反映されるよう、外部から専門家を招き、北米で製品の安全性を統括する責任者を新たに任命するとした。
© Thomson Reuters 2010 All rights reserved.