WBC世界バンタム級王者・長谷川穂積(29)=真正=が、WBO世界バンタム級王者フェルナンド・モンティエル(30)=メキシコ=と11度目の防衛戦を行うことが22日、発表された。4月30日にWBC世界Sバンタム級王者・西岡利晃(33)=帝拳=が、同級11位バルウェグ・バンゴヤン(23)=フィリピン=を迎え撃つ4度目防衛戦との“ダブル世界戦”として日本武道館で行われる。WBO(世界ボクシング機構)は日本非公認のため、WBCタイトル戦として行われるが、事実上の王座統一戦となる。
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V11防衛戦は日本ボクシング史上初のWBO現役王者、それも3階級を制した難敵とのビッグマッチ。海外の強豪に狙われる存在となった長谷川は「ベルトが移動しなくても関係ない。WBCとWBOのどちらのチャンピオンが強いかしか興味がない。勝たないと意味のない試合」と、すべてを失うリスク覚悟で、大一番の意義を語った。
WBOは日本ボクシングコミッション(JBC)非公認のため、今タイトル戦はモンティエルが挑戦者としてWBC王座に挑む形となる。長谷川が勝利してもWBO王座は移動せず、WBC王座のみの防衛。逆に挑戦者が勝てばWBOとWBCの王座統一という変則的なタイトル戦となる。
現在、世界的には日本が公認するWBAとWBCに加え、IBF(国際ボクシング連盟)とWBOの4団体がメジャーとされている。後進のIBFとWBOは組織基盤が不安定だったこともあり、日本は公認してこなかったが、6階級制覇のデラホーヤらの存在で世界的に認知され、今タイトル戦の価値は高い。
日本人選手の“王座統一戦”は長谷川が2人目。84年7月に当時のWBA世界Sフライ級王者・渡辺二郎がWBC同級王者パヤオ(タイ)と対戦した。だが渡辺はWBAの指示を無視して強行したとして試合直前に王座をはく奪。渡辺は判定勝ちでWBC王者となったが、試合中は“無冠”だったことになる。今回は両者が王者としてリングで激突するという意味で日本初の統一戦だ。
「モンティエルのビデオはあまり見てないけど、好戦的な選手。これに勝てばWBAとIBFのチャンピオンからもオファーが来るかもしれない。今回は強い挑戦者だからこそKOしたい。どっちが強いかですよ」。長谷川は世界のメジャー4団体統一の野望をのぞかせながら、まずは目の前の“王座統一”を誓った。