【サンセバスチャン(スペイン)=瀬能繁】欧州連合(EU)加盟27カ国は9日の非公式競争力相会合で、EU域内共通の電気自動車計画の推進で合意した。執行機関である欧州委員会が開発・普及に向けた包括戦略を作成。中核技術となる電池の開発、充電インフラの規格の共通化などの方策を検討する。日本などと比べて出遅れている電気自動車の開発で、EUは官民一体で巻き返しを図る。
包括戦略には、域内共通で利用できる電気自動車の技術・インフラなどの標準化、欧州投資銀行(EIB)による研究開発(R&D)支援など広範囲の具体策が盛り込まれる見通し。欧州委が原案をつくり、5月の競争力相理事会での合意をめざす。日本の自動車メーカーの経営戦略にも影響を与えそうだ。
EU議長国スペインのセバスティアン工業相は記者会見で、EU域内の携帯電話向け充電器の規格がバラバラな現状に触れ「電気自動車で同じことを繰り返してはならない」と述べ、電気自動車の充電プラグ、充電スタンドの規格の共通化を進める意向を示した。
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