【EVENT】3月14日(日)@明治大学(東京) 瀬戸内海の生物多様性保全のための第2回三学会合同シンポジウム~上関 瀬戸内海の豊かさが残る最後の場所~
3月14日に明治大学駿河台校舎リバティホールにて、上関・瀬戸内海に関するシンポジウムが行われます。
企画者の一人でもある、安渓遊地さんのブログにも概要や関連資料がありますので、ご覧ください。
・安渓遊地さんのブログ:http://ankei.jp/yuji/?n=868
※安渓遊地さん・・・日本生態学会上関問題要望書アフターケア委員会委員長
以下、転載・転送歓迎です。
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- 瀬戸内海の生物多様性保全のための第2回三学会合同シンポジウム -
上関 瀬戸内海の豊かさが残る最後の場所
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豊かな生物相と高い生産力に恵まれた瀬戸内海。
その豊かさがほとんどの場所で失われた今も、上関のまわりには、驚くほど多様な生物が残っています。
ここでの原子力発電所建設計画について、生物学研究者の三学会(日本生態学会、日本鳥学会、日本ベントス学会)は、もっと慎重な環境アセスメントを求める要望書を提出しました。
その内容を一般に紹介します。
日時:2010年3月14日(日) 13:30~16:30
会場:明治大学駿河台校舎 リバティホール
東京都千代田区神田駿河台1-1(JR「御茶ノ水駅」から徒歩3分)
http://www.meiji.ac.jp/koho/campus_guide/suruga/access.html
●参加費:500円(資料代)
●プログラム(13:00会場/13:30開会)
「上関原子力発電所建設計画のあらまし」
佐藤正典(鹿児島大学)
講演1 「周防灘に残されている瀬戸内海の原風景」
加藤 真(京都大学)
講演2 「上関に生息する希少な鳥類に ついて」
飯田知彦(九州大学大学院)
三学会の要望書の説明
安渓遊地(日本生態学会上関問題要望書アフターケア委員会委員長)
佐藤重穂(日本鳥学会鳥類保護委員会副委員長)
逸見泰久(日本ベントス学会自然環境保全委員会委員長)
コメント1 「陸上生物、里山の観点から」
野間直彦(滋賀県立大学)
コメント2 「スナメリについて」
※調整中
コメント3 「生物多様性条約に基づく国の政策」
国会議員(調整中)
主催/日本生態学会 自然保護専門委員会
日本鳥学会 鳥類保護委員会
日本ベントス学会 自然環境保全委員会
後援/(財)日本自然保護協会
(財)世界自然保護基金(WWF)ジャパン
ラムサール・ネットワーク日本
問い合わせ先/
083-928-5496(安渓)
099-285-8169(佐藤)
e-mail: sato@sci.kagoshima-u.ac.jp(@を@にかえてください)
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コメント
第2回の3学会シンポ…中国電力への抗議なのに、今度は東京で開くんですね。
このシンポジウムには、疑問に思う点がいくつかございます。
第1に、
意見が分かれるようなテーマに関して学会がシンポジウムを開催する場合、両サイドからの発表が行われるのが普通と思います。
でなければ、討論会になりません。
第1回シンポ終了後、反論も出されておりましたが、この2回目も講演者はほとんど同じ…以前から反原発に活動され、希少生物がいようがいまいが、再処理やプルサーマルなど原子力に関係すること全てにはっきりと反対を表明されておられる方ばかりのようです。
中電の環境評価に関わった方や環境監視委員会のメンバーには、これらの学会の会員の方もいらっしゃいます。
そうした、本来お仲間の方々の顔に一方的に泥を塗るようなことを、学会がするのでしょうか。
専門的な内容であれば、まず専門家同士で議論するのが普通ではないでしょうか。
素人を相手に、一方の主張のみを、学会のシンポジウムと銘打って専門家の一致した見解のように流すのは、フェアではないですよね。
第2に、
なぜ、いつまで経っても「・・・の恐れがある。」「・・・が懸念される。」というような主張ばかりなのでしょうか。
日本国内だけでも原発はすでに五十数機が稼働しています。
予想ばかりではなく、学者ならば、なぜ実際にはどうなのかを調べようとされないのでしょうか。
また、それほど酷い環境破壊が各地の原発で行われているのならば、なぜそれを放置されるのでしょう。
第3に、
中国電力社長のコメントにもあったように、田ノ浦だけを「瀬戸内海の豊かさが残る最後の場所」、そんなホットスポットと評価することに客観的な理由がありません。
元々、田ノ浦一帯は休耕田が大半で、ほとんど利用価値がなく、ここに企業を誘致する事は地元の悲願でした。
原発の前には、三菱商事のLPG備蓄基地の計画がありましたが、誘致に失敗しました。
原発の候補地に田ノ浦が選ばれたのは、その時の調査で地質に問題ないことがわかっており、また、誘致に地権者の七割の了解がとれていたことが大きいです。
ですから、「上関に作ってもよいが、田ノ浦だけは止めてくれ」というような反対意見は聞いたことがありません。
LPG基地なら、反対運動は、これほどの規模にはならなかったでしょう。
LPG基地にも反対する人はいましたが、運動が激しくなったのは、原発となって自治労山口県本部が反対の方針を決めてからです。
「瀬戸内海の豊かさが残る最後の場所」「究極の楽園」「世界遺産にしてもいいほど」などと祭り上げるのは、所詮、よそ者の意見です。
仮に原発計画が無くなれば、誰も見向きもしない土地に戻ることは、地元の方はよくお判りでしょう。
上関原発反対として自然保護を訴える主張は、10年ちょっと前、当時の環境庁がスナメリを瀬戸内海の環境保全のシンボルに据えた頃、中電の環境リポートにスナメリの記述がなかったことから始まりました。
土地問題や漁業権を楯とした運動が行き詰まり、長島の自然を守ることが、反対運動の表看板に掲げられました。
それから短期間のうちに、希少生物が次々に発見されました。
それまで調べられていなかっただけ、という中国電力の主張は当時から変わっていません。
もちろん、「反原発」が動機であっても、生物学的に貴重な発見と思います。
しかし「反原発」が目的である限り、それに不利になるような調査はしません。
もっと調べて、ここにもいた、あそこにもいた、では利用価値がなくなります。
「世界遺産」はともかくも、反対運動は、田ノ浦を自然保護区に認定させる活動もしてきました。
認められないのは、「反原発」目的が見え見えで、客観的な評価となっていないからではないでしょうか。
反対運動は、反対に役立つ材料作りが仕事です。
都合の良いデータだけで「最後の楽園」と主張されるのは当然の戦略です。
それは、反対派の方はよくお判りの上でおっしゃっておられると思います。
しかし、学者までが同じ態度というのは、いかがなものでしょうか。
原発は、建設されたときに結果がでます。
大騒ぎして、結果、たいしたことがなくても、普通の人なら「何か言ってましたっけ?」と知らん顔をすることができます。
しかし、学会としてやったことは残ります。
もちろん、予防原則として警告を発し、それが外れても、責められはしません。
しかし、明白に、反対運動の主張そのままを受け流し、反原発の思想に学会が左右されたことは、人の目にどう映るでしょうか。
原発ができても自然が守られ、地域の人々が幸せになる…これほど反対運動に都合の悪いことはありません。
最近の例で言えば、六ヶ所村をいかにおどろおどろしく描いているかを見れば明らかです。
原発ができるまではその地域の味方でも、できてしまった後は、その地域の不幸を願う…それが正常なメンタリティです。
一般の反対派の方なら、それで結構でしょう。
しかし、専門家の方々まで同じであって欲しくありません。
生態学などの学会の皆さんは、生き物にとっての「最後の砦」…たとえ日本が亡びても生き物を守る方が大事、そんな方々であってほしいと思います。
ですので、学会が本気で心配して出した声明には、誰もがもっともと思いますし、厳粛に受け止めるべきです。
そうであるからこそ、その主張に偏りはないか、バイアスがかかっていないかに、格段の慎重さが必要なのではないでしょうか。
学会の方々には、上関に原発ができても、長島の自然を守るために、地元・県・国や中国電力と良い協力関係を保って欲しい願うのですが…今の状況は、絶望的ですね。
それを、とても残念に思います。
投稿: tweedle | 2010年2月23日 (火) 23時31分