==> 国立大学独立行政法人化に抗して
Date: Thu, 18 Nov 1999 18:45:45 +0900 To: hu-members From: yugo@ees.hokudai.ac.jp (Yugo Ono) Subject: 拙速な独立行政法人化に反対する声明への賛同依頼 北大教官の皆様へ お送りする添付書類にありますように、私ども北大の教官有志は、あまりに拙速な独 立法人化に反対し、この問題についての、教授会、助教授会、助手会などでの十分な 検討と、それにもとづく各部局での意見表明、表明された意見の尊重を求める声明に ついての皆様の賛同を求めたいと存じます。添付書類にあります声明をお読みいただ き、賛同して下さる方は20日(土曜日)までにお返事をメイルでお送り下さい。お 忙しいところ申し訳ありませんが、私たちに残された時間的な余裕はあまりありませ んので、どうかよろしくお願いいたします。 1999年11月18日 国立大学の独立行政法人化問題を考える北大教官有志の会 ---- 小野 有五 yugo@earth.ees.hokudai.ac.jp 060-0810 札幌市北区北10条西5丁目 北海道大学大学院地球環境科学研究科地球生態学講座 TEL011-706-2220 FAX011-706-4866 ---------------------------添付内容-------------------------------- 北海道大学の全教官各位 私ども北大教官有志は、国立大学のあまりに拙速な独立行政法人化に問題を感じ、 また北大のみならず国立大学の将来を決めてしまうこのような重大な問題が、大学構 成員のあいだで十分に議論されないまま決定されてしまうことに危機感をもってまい りました。独立行政法人化への賛否を問う以前に、まずこの問題について全構成員が 十分な議論をし、各部局がその意見をもちよったうえで、北大としての意見表明をす ることが大学人としての責務であると考えますので、以下のような声明を出したいと 思います。 声明の主旨にご賛同いただける方は、一人でも多く、メイルでそのご意志を世話人 のほうにお伝えいただきたいと思います。賛同者としてお名前を出せるか、お名前は 出さないが賛同者の数に加わっていただけるかをお書きいただき、11月20日(土) までにこのアドレスにお返事下さい。会としては、それにもとずき11月22日(月) に声明を発表するとともに、総長・評議員に声明をお伝えしたいと考えております。 北大の将来にとってきわめて重要な問題でございますので、一人でも多くの方から のご賛同をお願い申し上げます。 1999年11月18日 国立大学の独立行政法人化問題を考える北大教官有志の会 声明文 新聞などですでに報道されているように、文部省は国立大学の独立行政法人化に向 けて、全国の国立大学に対してその受け入れを要請しようとしています。これに対し て北大も、十分な議論・検討をしないまま、それを受け入れる方向に傾きつつあるよ うです。独立行政法人化は、その運用しだいで必ずしも悪い面ばかりがあるとは思い ませんが、現在の北大のありかたを見ると、大学の将来に最も責任を負うべき教授会 はもとより、構成員による議論もほとんどないまま、このまま大学としての意志決定 がなされてしまうことに、大学教官として危機感を覚えます。大学を独立行政法人化 するうえで最大の問題の一つは「それを受け入れた時に大学の自治が守れるか」とい う問題だと思いますが、現在のように構成員同士の議論もなく、その意志表示もない まま、総長や評議会での決定だけで今後の長期間にわたる大学全体のあり方が決めら れてしまうとすれば、すでにその時点で「大学の自治」は有名無実のものとなり、以 後、大学人は、このような理不尽なものごとの進め方に対して、なんら反論できなく なることは明らかです。 とくに評議会に評議員を送っている教授会の構成員は、大学の将来を決めるこのよ うな重要な問題に対して無関心をよそおうことは許されません。それは教授会の構成 員である責任を自ら放棄したことになると思います。もちろん、現在の大学のあり方 が社会からの要請にきちんと応えるものになっているか、研究や教育の内容が激変す る環境に対応するものになっているかといった検討も不可欠であり、自らそのような 検討をすることなしに、大学が外部からの批判に応えられないのは当然のことです。 しかし、現在、進められようとしている独立行政法人化は、そのような検討の余裕す ら許さないあまりに急速なものであり、しかも、現状では、今後の確固たるヴィジョ ンや、制度の具体的な運用についての明解な説明があまりに不足していると言わざる を得ません。このようにすべてがあいまいな状態のまま、21世紀の北大のあり方を 決定してしまうことは拙速であり、将来に大きな禍根を残すと思います。 私たち北大教官の有志はこのように考え、次の2点を総長・評議会・教授会・助教 授会・助手会など、北大のすべての教官に要望いたします。 (1)現在のようなあまりに拙速な独立法人化には反対して下さい。 (2)各部局の教授会、助教授会、助手会は早急にこの問題を議論し、12月中には、 この問題についての各部局の意見を表明して下さい。総長・評議会は、北大としての 意志決定に際し、これら各部局からの意見を尊重して下さい。 国立大学の独立行政法人化問題を考える北大教官有志の会 賛同者:(代表)小野有五(地球環境科学研究科)、山口二郎・宮脇 淳・木佐 茂男(法学部)、西部 忠(経済学部)、井上勝生(文学部)、大野栄三・森谷きよ し・横井敏郎(教育学部)、井上純治・辻下 徹・持田 潔・栃内 新・市川瑞彦・ 渡邉暉夫・前田仁一郎・山岡直人・渡邉信久・馬渡峻輔・三上敏夫・林 実樹廣・羽 部朝男・古畑 仁・津田一郎・小野 薫・高橋正行・清原一吉・神保秀一・若原正己 ・落合 廣・中路貴彦・井上昭彦・山田裕史・奥田浩司(理学研究科)、服部昭仁・ 船田 良 ・齋藤 裕・幸田泰則・西邑隆徳・中村太士・森 匡・清水 収・矢島 崇、波多野隆介・中村富美男・小島康夫・秋元信一・坂下明彦・佐野雄三・諏訪正明 (農学研究科)、神沼公三郎・門松昌彦(農学部附属演習林)、米田徳彦・森下 満 ・石田 巌・長谷川和義・土田 猛(工学研究科)、松永勝彦・中尾 繁・伴 修平 ・後藤 晃・野田隆史・三宅秀男(水産学部)、平川一臣・久保川 厚・山崎健一・ 工藤 岳・向川 均・長谷川四郎・吉田郁也(地球環境科学研究科)、中塚 武(低 温科学研究所)、神谷正男・鈴木正嗣(獣医学部)、山崎忠良(獣医学研究科)、吉 田和彦・藤田寿一(医学部)、澤口俊之(医学研究科)、小林邦彦・澤村 豊・(医 学部附属病院)、澤村 強(歯学部附属病院)、佐藤真理(触媒化学研究センター) 、高橋英樹・天野和也(総合博物館)、落合滋子(免疫科学研究所)、Olaf Karthaus(電子科学研究所) ほか151名、計263名(11月20日午後7時現在)