第2回  平成22年1月14日(木)

 

 第1 全体会議

  1 各部からの報告等

(1) 平成21年中の犯罪発生状況等について
 平成21年中の刑法犯認知件数は17,015件で、前年−414件、増減率−2.4%であり、そのうち重点13罪種は11,437件で、前年比+152件、増減率+1.3%であった。
 刑法犯認知件数は、平成16年から6年連続で減少し、空き巣、忍込み、オートバイ盗、ひったくりが大幅に増加、自動販売機ねらい、詐欺が大幅に減少した。
 本年は、刑法犯認知件数1万7,000件未満の達成を目標に各種対策を推進することとしている。
 委員から「振り込み詐欺被害が大幅に減少したのは、各種対策の推進により県民の方々の多くが被害に遭わない抑止力を身につけたことが一つの要因と思うので、同様に、増加傾向にある空き巣、忍込みの被害を防止するためには、県民の方々に対して自らが被害に遭わないようにする力を身につけるための教育(広報)が必要と思う。特に、戸締まりをするのは、主婦など女性が多いと思うので、メディアの活用に加え、交番員によるミニ講話など効果的な防犯教育(広報)に努めてもらいたい」旨の発言があり、警察から「ご指摘のとおり、防犯教育(広報)は大変重要であり、色々な機会を捉え効果的な防犯教育(広報)を推進していく」旨の説明があった。

(2) 平成21年中の振り込め詐欺発生状況等について
 平成21年中の振り込め詐欺認知件数は78件(前年比−151件)、被害額約1億970万円(前年比−約1億2,220万円)で、認知件数の内訳は、オレオレ30件(前年比−37件)、架空請求25件(前年比−15件)、融資保証金22件(前年比−89件)、還付金等1件(前年比−10件)であった。一方、検挙件数は112件(前年比+27件)、検挙人員は37人(前年比+3人)であった。
 昨年4月、「県民を振り込め詐欺被害から守る条例」を施行したが、平成21年中の条例施行前・後の増減状況並びに条例施行前・後の前年比増減率は、
 ○ 施行前の1月から3月の3か月間の認知件数36件(月平均12件)
    前年比増減率−32.1%
 ○ 施行後の4月から12月の9か月間の認知件数42件(月平均4.7件)
    前年比増減率−76.1%
であり、条例の効果が認められた。
 委員から「本当によく頑張っていただき、件数、被害額ともに大幅な被害減少につながった」旨の発言があり、警察から「県民の方々をはじめ金融機関等事業所のご協力により被害減少に至ったもので、引き続き被害抑止・検挙に努めてまいりたい」旨の説明があった。

(3) インターネット利用のクレジットカード不正使用詐欺事件被疑者の検挙について
 熊本県・静岡県警察合同捜査本部は、本年1月10日(日)、クレジットカード不正使用詐欺事件の被疑者として、東京都世田谷区居住の男性(会社員、32歳)他4人を通常逮捕した。
 被疑者らは、共謀して、平成21年6月下旬ころから同年7月下旬ころまでの間、東京都豊島区内又はその周辺において、いわゆるフィッシングにより不正に入手したクレジットカード情報を使用して、インターネット通信販売により他人になりすまして商品購入を申し込み、デジタルカメラ1台他1点(合計127,000円相当)を騙し取ったものである。
 今後、共犯関係の立証と詐欺グループの全容解明を進める。
 委員から「難しい事件を検挙され、苦労があったと思う。詐欺に至るまでの段階で適用を検討できる法条はないのか」旨の質問があり、警察から「インターネット上に実在する会員制サイトに酷似したホームページのインターネットへの掲載やクレジット番号を不正に入手したことで、著作権法違反や不正競争防止法違反が検討できる」旨の説明があった。

(4) スノーボード等を大量に窃取する出店荒し事件被疑者の検挙について
 捜査第一課、宇城警察署、大津警察署は、本年1月14日(木)までに、出店荒し事件の被疑者として、住居不定の男性(無職、34歳)他1人を建造物侵入並びに窃盗罪で通常逮捕した。
 被疑者らは、本年1月7日(木)午前1時ころ、熊本県合志市のスノーボードショップにおいて、スノーボード等約561点(販売価格合計930万円相当)を盗んだものである。

(5) 平成21年中の交通事故発生状況等について
 平成21年中の交通事故発生状況は、発生件数11,157件(前年比−365件、増減率−3.2%)、死者数88人(前年比−10人、増減率−10.2%)、負傷者数14,308人(前年同期比−355人、増減率−2.4%)であった。死者数については、昭和28年の74人以来56年振りに90人を下回り、死者数及び負傷者数は5年連続、発生件数は3年連続して減少した。
 交通死亡事故の主な特徴は、
   ○ 高齢者の死者は51人(前年比−5人、全死者の58.0%)
   ○ 高齢者の歩行中の死者は29人(前年比+4人、高齢死者の56.9%)、
     うち、横断中が19人
   ○ 高齢者同士の事故による死者は16人(前年比+12人、全死者の18.2%)
   ○ 自動車乗車中の死者は25人(前年比−9人、全死者の28.4%)、
     うち、シートベルト非着用死者は11人(前年比−14人、自動車乗車中死者の
     44.0%)、
    非着用死者11人中9人(81.8%)は着用していれば助かったと推定される
   ○ 歩行中の死者は37人(前年比+6人、全死者の42.0%)、
     うち、道路横断中の死者が23人(前年比−2人、歩行中死者の62.2%)
となっている。
 また、「安全・安心肥後の道作戦」の推進状況は、重点路線及び交差点での死傷者数は9,488人(前年比−604人)、交差点事故削減重点校区の死傷者数は2,638人(前年比−165人)であった。
 本年は、「安全・安心肥後の道作戦」を継承しつつ、高齢者対策を盛り込んだ新たな特別対策「ひのくに『よか道・よか町』作戦」に基づき各種交通事故防止対策を推進することとしている。
 委員から「熊本県における交通事故による死者が、一番多かったのはいつか」旨の質問があり、警察から「昭和48年の265人である。昨年はその3分の1程度に減少した」旨の説明があり、さらに委員から「現在の交通事故死者が昭和28年と同程度ということであるが、車両保有台数はどのような変遷状況にあるのか」旨の質問があり、警察から「全国の車両保有台数について、昭和43年からの統計でみると、平成10年の車両保有台数の指数を100とした場合、昭和48年の指数は40、平成20年の指数は103となっている」旨の説明があった。
 また、委員から「自動車業界でも製造段階から交通事故防止を考慮しているということであり、このような取組みも交通事故死者の減少につながっているのか」旨の質問があり、警察から「自動車の性能・構造、救急医療などの発達の影響は大きい。警察が交通事故の現場で行う事故分析結果については、自動車業界や医療現場にフィードバックしており、このような点でも貢献している。また、シートベルト装着をはじめとした各種交通事故防止対策が交通事故の減少につながっていると認められる」旨の説明があった。


 2 委員からの提言
   委員から「本年1月12日、大阪府の居酒屋で猟銃発砲事件が発生した。平成19年に
  長崎県で散弾銃乱射事件が発生し、銃刀法の改正がなされ、本県でも同 様の事案防止
  対策を徹底していただいたところであり、現在も引き続き継続していただいていると思うが、
  今回の事件を他山の石として改めて銃砲所持許可、管理対策を徹底していただきたい」旨
  の提言があり、警察から「本県でも平成18年に城南町で同様の事案が発生しており、気を
  引き締め、この種事案の防止対策を徹底していく」旨の説明があった。


 第2 その他の公安委員会活動

 1 聴聞・意見の聴取
    運転免許課から運転免許の行政処分について説明があり、委員により行政処分の
  決定がなされた。

 2 決裁等
  (1) 警察職員の派遣について 
     捜査第一課長から、盗犯捜査に関し鹿児島県警への警察職員の派遣について
    説明があり、委員による決裁が行われた。
  (2) 公安委員会あて苦情の受理について 
     公安委員会あて苦情申出の受理について、委員による決裁が行われた。
  (3) 呼気中アルコール測定器について
     運転免許課長から、呼気中アルコール測定器について説明があった。

 3 事務連絡
    当面の行事予定等について、事務連絡が行われた。





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