売春容疑で逮捕された韓国人女性の動き（クリックで拡大）

　川崎市の歓楽街で、売春防止法違反容疑で摘発される若い韓国人女性が急増している。神奈川県警は今年に入り約３０人を逮捕。大半が短期滞在で「不況で韓国は給料が安い」「欲しいものを買うため」と供述するなど、アルバイト感覚が目立っている。

　約１００の風俗店がひしめくＪＲ川崎駅近くの堀之内地区。日本家屋の１階がガラス張りの「小料理屋」が並ぶ一角がある。飲食店を装っているが、捜査幹部は「私服警官らしい人間を見るとすぐ店じまいする違法な風俗店」と明かす。

　「日本に行けば月１００万円稼げる」「短時間の楽な仕事」。金融危機でウォン安が進む韓国では、円の価値が一時２倍近くになった。女性たちはインターネットの闇求人サイトの文言に引かれて応募し、ブローカーとの面接を経て来日。

　ソウル近くの金浦空港からの直行便がある羽田空港に着くと、迎えが待ち受ける。住まいは店に近いマンションの個室で家賃は無料。客１人１万円の料金を店側と折半し１日平均３万５０００円を手にし、約３カ月で帰国する。

　県警は今年、同法違反容疑で９店を摘発、店で働く女性や見張り役の男ら３４人を逮捕した。韓国人は３０人で、女性はうち２７人と既に２００７年の逮捕者の５倍。女性も見張り役も各店を回る。９店の経営は一体化しているとみられ、県警が経営者の行方を捜している。

　韓国側でも摘発の動きが進む。ソウル近郊で５月、韓国人女性５０人以上を堀之内地区の風俗店に送り込んでいたとしてブローカーが逮捕された。

　日本で逮捕された女性たちは韓国から来る人の一部。県警幹部は「風俗店取り締まりが強化された韓国の業者が、川崎の店の経営に関与している可能性が高い」とみて、警察庁を通じて韓国の捜査当局と情報交換。背後にある韓国系組織との関連など実態解明を急ぐ。