室蘭市や函館市を中心とした道南西部で、情報通信技術(ICT)を活用して診療情報の共有などを行う「北海道南西地域・広域医療連携プロジェクト」が2月から本格化したことに伴い、関係者らが21日、室蘭市内でフォーラムを開き目的や課題について理解を深めた。
プロジェクトは、医療や福祉関係者の連携を効率化し、医療機関偏在などの問題に対応することが狙い。総務省の交付金事業などを財源に(1)妊産婦の健康状態の遠隔モニタリング(2)センサーで在宅の独居高齢患者を見守るシステム--などを展開する。
フォーラムは約100人が参加。辰巳治之・札幌医科大教授が「広い北海道では(ICT活用で)地域完結型医療にしないといけない」と事業の狙いを説明。下山則彦・市立函館病院副院長は「(技術的な体制ができても)面識がないと、安心して患者を送れない」と述べ、人的ネットワークの重要性も指摘した。【堀井恵里子】
毎日新聞 2010年2月22日 地方版