県は新年度当初予算案に、岩手医科大(盛岡市)の医師を鹿角市の鹿角組合総合病院に派遣してもらう寄付講座の設置費として2500万円を計上した。講座の医師2人が両者と地域医療機関の連携強化について研究し、さらに診療にも当たる内容。医師不足が深刻な中、県境を越えた確保策に乗り出す。
県によると、講座は岩手医科大に設置するが研究は同病院で行い、実質的には常勤医になる。予算措置は同額を5年間予定し、鹿角市も500万円を負担。医師の人件費や研究費に活用する。県医師確保対策室は「地域医療のあり方を模索しながら、常勤医を増やす効果もある。研究にもできる限り支援していきたい」と話す。
同病院総務課は「これまでも岩手医科大には鹿角の医療を担ってもらってきた。講座を通じて地域医療のさらなる充実につながれば」と期待を寄せている。【百武信幸】
毎日新聞 2010年2月23日 地方版