カブール(CNN) アフガニスタン駐留米軍のマクリスタル司令官は22日、北大西洋条約機構(NATO)主導の国際治安支援部隊(ISAF)が南部ダイコンディ州で実施した空爆でアフガン民間人20人以上が死亡したことを受け、遺憾の意を表明した。
アフガン内務省は、空爆で民間人27人が死亡、14人が負傷したと発表。またアフガン政府とIASFの共同声明によると、地上部隊は犠牲者に女性や子どもが含まれていることを確認した。米軍はアフガン政府の死者数発表を受け入れる姿勢にあり、ISAFは直ちに調査を指示したが、アフガン内閣は空爆を「正当化できない」と非難した。
21日夜にアフガンのカルザイ大統領に面会したマクリスタル司令官は、「無実の人々の命が悲劇的に失われたことを非常に悲しんでいる」と述べ、アフガン国民を保護するIASFが誤って民間人を死傷させたことは信頼をを傷つけるとして、一層信頼回復に努める方針を強調した。
米軍幹部が匿名を条件に語ったところによると、ダイコンディ州の空爆は、イスラム強硬派タリバーンの構成員が乗っていると判断された車3台がISAFの地上部隊に向かっているとの情報を踏まえ、21日の昼間に実施された。空からの監視を受けて地上部隊の司令官が空爆を指示した。アフガン内務省の報道官は、車列が当時カンダハル州に向かう途中だったとしている。
ISAFの攻撃に民間人が巻き添えになっている問題で、アフガンと米国の関係は緊張。ここ2週間のISAFの軍事行動では、50人以上のアフガン民間人が死亡したとみられる。18日にもアフガン東部の空爆で警官数人が死亡したとの報告があり、ISAFが調査に乗り出している。