バグダッド(CNN) 来月7日に行われるイラク国民議会選挙について、イスラム教スンニ派の政党「イラク国民対話戦線」が20日、ボイコットの意向を表明した。イラク駐留米軍のオディエルノ司令官およびヒル駐イラク米大使が、選挙に対するイランの影響力行使について発言したことへの対応だとしており、スンニ派とシーア派、クルド人の和解に向けた歩みは後退したとみられている。
同党の有力指導者サレハ・ムトラク氏は先日、フセイン元大統領の政党で現在非合法化されているバース党寄りとの理由で、立候補禁止措置を受けた。同会派はこの決定が、イラン寄りのシーア派与党勢力による政治的陰謀だとの見解にある。
オディエルノ司令官は先日、米軍が直接入手した情報として、ムトラク氏の出馬を禁止した委員会のアハメド・チャラビ氏ら2人が、イラン革命防衛軍のエリート組織「コッズ部隊」の司令官とイラン国内で協議しており、選挙結果の操作に関与していると発言。ヒル大使も、2人がイランの影響下にあるとコメントした。
イラク国民対話戦線は、ムトラク氏がアラウィ元首相らと今回の選挙に向けて設立した世俗派の会派「イラク国民運動(INM)」に参加しており、他党にも選挙ボイコットを促している。