|
きょうのコラム「時鐘」 2010年2月23日
松井秀喜選手の新しいユニホーム姿が紙面に載った。今季から赤ゴジラである
「似合っているんじゃない」というのが本人の弁。別のユニホーム姿に親しんできたので、すぐにはうなずきにくい。おしゃれに無縁な身でも、赤を着こなす難しさは分かる。駆け出しのころ、赤いシャツやセーター姿を続ける同業者がいた。まるで似合っていない 顔を売るのが仕事の第一と心得て、目立つことを心掛けている、と話した。なるほど、と感心したが、赤色作戦は「もろ刃の剣」であることも分かってきた。仕事の出来次第では、ドジな赤シャツという評判も流れてしまう。男の赤シャツは長くは続かなかった そういえば、首相の金色のネクタイをとんと見掛けない。ここ一番の勝負の色という触れ込みのはずだが、さすがにいまはまずかろう。あの金色は、いやでもカネを連想させる。色には不思議な力が備わる 松井選手のユニホームの赤は、白の美しさも引き立てる。鮮やかな赤と白は、やがて土にまみれる。土に汚れて、もっと美しく映る。野球の色も不思議である。そんな色が、もうすぐ見られる。 |