危ないからダメ！線路に“珍入者”続出で鉄道関係者困惑

　泥酔者や鉄道ファンが線路に侵入するトラブルが相次ぐ中、今度は踏切内で乗用車を駐車して熟睡するという、とんでもないトラブルが発生した。運転手は運良く通行人に発見されて助かったが、踏切事故が発生した場合は列車の脱線などの大惨事にもつながりかねないだけに、予期せぬ侵入者に鉄道事業者は頭を痛めている。

　２２日午前３時２５分ごろ、兵庫県高砂市阿弥陀町魚橋のＪＲ山陽線の踏切内に軽乗用車が停車しているのを通行人が発見し、１１０番通報した。同県警高砂署の署員が駆けつけると、運転席で同市の配管工の男性（２０）が眠っており、署員が起こして車を踏切の外に移動させた。

　同署によると、車は約１時間前にも同じ踏切内に止まっていて、高松発大阪行き上り貨物列車が現場で約２３分停止、後続の貨物列車１本も約２２分遅れた。

　いったん踏切の外に出た後、再び踏切内に戻ったとみられ、男性は「詳しいことは覚えていない。眠かったので寝てしまった」と話しているという。同署は往来危険容疑で事情を聴いている。現場は遮断機と警報機の付いた踏切だった。

　線路に侵入するのは車だけではない。１５日夜には東京都杉並区のＪＲ中央線高円寺駅でも、泥酔した都内の女性（２０）がホームから線路上に転落した。約１分後に電車が通過したが、直前に会社員の男性（２４）が女性をレールの間に寝かせ、女性はレールの敷石と車体の間にある３０センチほどの隙間に入り、奇跡的に軽傷で済んだ。

　このほか、１４日と２０日には、ＪＲ西日本管内で特別客車を連結した臨時列車「あすか」を撮影しようと、「撮り鉄」と呼ばれる鉄道ファンが線路内に立ち入り、列車が緊急停車してダイヤが乱れるトラブルが発生している。鉄道関係者のボヤキ声が聞こえてきそうだ。