2007年07月16日

美風展

以前このコラムで紹介させてもらったロジルーム(http://blog.livedoor.jp/rojiroom)の松下さんが参加するグループ展があった。

「和紙クラブ美風展―和に取り組む若手作家の出会い―」
小倉わかな(トンボ玉)、小原大司(陶)、長谷川絵里(造形)、薬師寺輝江(染織)、松下純子(服、袋物)、毛利広子(陶)

和紙クラブ(http://www.washiclub.com)は大阪・八幡筋、阪神高速近くにある。
遠くからはスーパー玉出の派手な黄色い看板が目立つ(あまりにも目立つので、目印はスーパー玉出、と場所を説明するときには言うことにしている)が、その向かいにある和紙クラブは本来の島之内に似合った瀟洒な建物。一階は紙類を扱っているショップで、ギャラリーは三階。

今回のグループ展は若手作家を集める企画。
それぞれに個性的で作品の傾向もまったく違うが、会場ではその全部がなんとなく調和していて、居心地がいい。
その中で、今回は直接お話しできた作家さんのものを。

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ロジルームオーナーでもある松下純子さん(Wrap Around R/http://w-a-robe.com)は、平面裁断の服の他、袋物や風呂敷を出品している。

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袋物も、服と同じように金具を使わず、折ったり結んだりして形を変えるタイプのものだ。風呂敷はその究極の形だろう。松下さんは普段から風呂敷を愛用しているそうだ。

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小原大司さん(D.porcelain/http://dporcelain.nomaki.jp)の器はロジルームでも見たことがある。メタリックな色彩が都会的な印象だった。
今回は和紙クラブでの展示ということで、和紙の材料「みつまた」をモチーフにしている。
ちなみに、みつまたに花が咲くとこんなふう。

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また、古い器の欠けた部分を金接ぎし、金彩を描き加えたものもあった。

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長谷川絵里さんは少女と呼ぶのがふさわしいような女性だが、その造形作品にはどこか俳味がある。










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かっぱも化け猫もひとつ目も愛嬌があり可愛らしいが、子供だましではない。妖怪らしく底の見えなさがある。食玩の妖怪シリーズを大人買いしていた友人なら、足を止めてそのまま動かなくなるに違いない。

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ガラスで作られるトンボ玉にはさまざまな大きさのものがあるが、小倉わかなさん(Lampwork/http://www.gankonagaya.jp)の作品には小ぶりなものが多い。せいぜいわたしの第一関節くらいの大きさ。そこに世界がぎゅっと詰まっている。
小さな金魚や熱帯魚は群をなしてガラスの水球の中を泳いでいる。
鮮やかな赤い鸚鵡の後ろにはジャングルが広がっている。
何層にもなっているガラス層のそれぞれにモチーフが埋め込まれ、遠近感、奥行きが表現されている。空の遠くを鳥が飛んでいる風景は、ドームのガラスを連想させる。
写真を撮らせてもらったのだが、わたしのデジカメではピントが合わない。ガラスの中の蟻は本物の蟻よりも小さく、姿がうまくとらえられない。
モチーフのサンプルを十円玉と一緒に写したので大きさはわかってもらえるだろうか。

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ほんとうに若い作家さんばかりで、こういう場で発表するのははじめて、と言う方もいた。これから何度もお目にかかることがあるだろう。それを楽しみにしている。  
Posted by olu_project at 17:49Comments(0)TrackBack(0)