2007年03月18日

知らないと行き着けない店(3)

「長くつきあえるもの/再生」をコンセプトにした、衣・器・緑のお店「ロジルーム」

このお店は、知らないとほんとうに行き着けない。
空堀商店街にさり気なく出ている植木を目印に路地を降りていったつきあたり。
まだ植物の育っていない寒い時期はさらにさり気なく、見つけにくい。
(写真は夏に撮ったもの)

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築80年以上の古家を再生したというこぢんまりしたお店の中は、食器や衣服、小ものがいっぱい。

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カウンターで飲む各種ハーブティは200円。

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ロジルームであつかっている服は「Wrap Around R.(ラップアラウンドローブ)」の服。
ファスナーやボタンで止めるのではなく、身体に合わせて纏い、紐を結んで止める。「きもの」のような平面裁断を意識した服。
タンスに眠っているきものを持ち込んで仕立ててもらうこともできる。
その他、季節感のある襷(たすき)なども置いている。

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写真は割烹着。
上衣はきものの袂も入るように脇がゆったりととられ、下はサロンエプロンのように体型に合わせて紐で結ぶ。
着た状態の写真はこちら。
http://w-a-robe.com/?mode=cate&cbid=56098&csid=0

これは料理研究家の濱田美里さんとの協働企画でデザインされたもの。三里さんは普段からきもので生活している方で、お料理をするときも当然、きもの。従来の割烹着よりお洒落で機能的なエプロンが欲しい、ということで依頼があったのだそうだ。

3月末には、美里さんの『身近な調理道具を使って料理を楽しむ』料理教室が開かれる。
炊飯器でごはんとおかずを一度に作る方法などを教えてもらえる。

その他にも、ロジルームではさまざまなワークショップをおこなっている。
のぞいてみると面白いものが見つかりそうな場所だ。

Rojiroom (ロジルーム)
〒542-0012 大阪市中央区谷町7-6-33
Tel/Fax 06-6762-7436
http://blog.livedoor.jp/rojiroom/
Open 木・日曜日11:00〜18:00
  
Posted by olu_project at 22:32Comments(0)TrackBack(0)

鼓と謡のコンサート

ひなまつり前日、心斎橋の喫茶店「麓鳴館」で小鼓と謡のコンサートがあった(小鼓は久田舜一郎さん、謡は立花香寿子さん)。
今回は季節が春、ということで能『弱法師(よろぼし)』の曲を解説を交えての演奏。

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『弱法師』の舞台は、春彼岸の四天王寺。
家を追い出され盲目になった俊徳丸が、梅の咲く四天王寺で父親に再会する物語。浄瑠璃などでは継子いじめの話として語られる俊徳丸だが、能では父親に見つけられ家に帰る場面が描かれる。
高安の長者の息子で美少年の面影を残す青年、俊徳丸。実在した人物かどうかはわからないが、近鉄大阪線の「俊徳道」駅は彼の名前からきている。
「なかなかのハンサムだったでしょう」と解説される。
そういえば、映画『デスノート』主演の藤原竜也のデビューは、寺山修司原作の舞台『身毒丸』の「しんとく」役だった。

盲目という設定の俊徳丸の面は、正面から見るとまぶたを閉じているようにみえる。でも実は、目の部分が横に長く空いていて、瞳の部分だけ丸く空いているふつうの面を着けるより周囲がよく見えるのだという。見えすぎるのでそれを抑えて心の目で見ている感じを演じるのが難しいのだそうだ。

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俊徳丸は記憶の中にある難波の風景を美しく語る。
空間いっぱいに音が響く。
謡も小鼓もこんなに近い場所で聞く機会はほとんどない。小さな空間だということもあり、音の中に入り込んでしまったような感じだ。力強い音に圧倒される。

演奏終了後、演奏者のおふたりにはいろいろな質問がとんだ。
立花さんは華奢な女性だが謡の声がとても力強いので、本番前には何か特別な発声練習をされるのですか、と質問した人がいた。
「特別なことはしないけど、できるだけしゃべって慣らすようにしています」
声楽では歌う前にはしゃべらないようにするというのとは正反対ですね、と感想が出る。
発声法が違うからだろう、ということだ。

立花香寿子さんのHP
http://www.hpmix.com/home/kazyu/

小鼓を打たせてもらっている人もいた。なかなか思ったような音は出せないが、居合いをやっているという方は筋がいいといわれていた。なにか通じるものがあるのだろうか。

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Posted by olu_project at 22:23Comments(0)TrackBack(0)