染色家・斎藤洋さんの「風工房」が伏見から黒谷さん(金戒光明寺)の門前に引っ越して半年足らず。新しい工房で「ふたり展」があった。斎藤さんの「染」と高木ゆりさんの「縫」の組み合わせはこれまでにも何度もあったけれど、この場所でははじめて。
染められた布をしばらく部屋に掛けておいてどんな服になりたがっているかをきく、と話していた高木ゆりさんがデザインした服はどれも世界にひとつしかないもの。ワンピースの上に取り外しできるベストを重ねたり、襟の形をいくつかに変えられるなど、遊びごころがいっぱい。
冬に向かう季節だけに、ふんわりと暖かく、柔らかい手触りのものが多い。
ゆりさんのお嬢さん・絵麻さんミシンワークの半幅帯は動物がいっぱいでとても楽しい。
木綿の布に染めた「染絵」も展示されていた。
自分にはとても小さい空間だけどこの中でしかできないこともあるから、という斎藤さんの新しい作品。
11月6日夕方からはオープニングパーティが開かれた。
ご近所の方もいらっしゃって、気の置けないにぎやかな集まりになっていた。みんなが知り合いのような雰囲気だ。
深井ゆうじんさんが、「見そめた人と」一緒に「染めたはるんです」、と風工房のことを書いた詩を京ことばで朗読した後、溝淵仁啓さん(ギター)と斎藤牧子さん(ヴァィオリン)のデュオでピアソラやグラナドスの曲を聴く。斎藤牧子さんは斎藤洋さんの妹さんだ。
工房の木の天井や床は、ギターやヴァイオリンの音をやさしく響かせた。
11月16日からは佐賀県でモスリン展、12月13〜24日は河原町四条「ギャラリーにしかわ」でショール風布展、と展示会が続く。