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【連続不審死】木嶋容疑者を起訴 偽装自殺を看破した県警の検視態勢 (1/2ページ)
東京都千代田区の会社員、大出嘉之さん=当時(41)=が練炭自殺を装って殺害された事件で、さいたま地検は22日、木嶋佳苗容疑者(35)を殺人罪で起訴した。大出さんの遺体発見から約半年。刑事事件として立件に至ったのには、地道な状況証拠集めもさることながら、初動捜査で現場に駆けつけた東入間署員や検視官らがいくつかの不審点を見逃さず、遺体を司法解剖に付したことが何よりも大きかった。真相解明への大きな原動力となった「検視」と司法解剖の県内事情を探った。
検視とは主に、継続的な医師の診断ではっきりと病死や老衰死と特定されない遺体を、警察官が外傷や現場の状況を観察して事件性の有無を調べることを指す。そこで事件性が完全に否定できないものについては、裁判所の許可を得て医師による司法解剖が行われる。
県内の平成21年の検視遺体数は前年比34体増の8456体。司法解剖数は前年比60体増の235体と、ともにここ数年は増加している。
検視遺体数のうち、司法解剖をした率を表す司法解剖率は、21年で約2・8%。一見低いように思えるが、県警幹部は「犯罪に巻き込まれた可能性があれば、1体の例外もなく行われる」と強調する。
県警は「一件の犯罪も見逃すわけにはいかない」との姿勢で、事件性解明の突破口となる検視を重要視。体制を強化してきた。