あおぞら銀行の不祥事は、本当に、個人の問題なのか?(by 延)

あおぞら銀行員がインサイダーか 証券監視委が家宅捜索」(産経新聞)


 物流業界のことで書くと生々しくなるので、敢えて、別業界の不祥事を取り上げてみた。最近、この手の記事に慣れてきた自分がいることを怖いと思う。金融機関融資担当者が、融資先に関係する株取引でのインサイダー事件。侭ありがちな話であり、おそらく、一か月後には、関係ない人たちからは、こんな不祥事があったことさえ忘れ去られる話だろう。


 この手の不祥事は、大方、"個人の問題"として処理される。社内の監督責任者がお詫び(あるいは、引責)をして、何事も無かったかのようにその会社は営業し続けるのが一般的である。


 あくまで個人的な見解であるが、一般論として、「本当に、"個人の問題"なのだろうか?」と、訝しく思っている。しかしながら、この手の疑念は、憶測の域を出ないが、あおぞら銀行には、その社名にふさわしく、青空のように爽快な説明をしてもらいたいものである。他に、融資担当者が、その立場を利用して、私利私欲を満たすような言動がなかったかについても・・・。

(*文中のリンク先は、本文とは関係無し)


 さて、不祥事と言うのは、何も、金融機関の専売特許ではない。こと、物流業界においても不祥事は付きまとうものである。単位の大きな金が動くときには、俄然、その不透明性が高まる。個人的には、ソロソロ、「オーナー経営者のキックバック体質」から脱却すべきときではないかと警鐘を鳴らしたい。


 物流業界には、業界の地位向上に向けて汗を掛かれているたくさんの方がいる。しかしながら、不透明性、あるいは、閉鎖性みたいなものから脱却できなければ、決して、業界の将来は拓けてこない。何故ならば、不透明であればあるほど、業界に不合理な力がはびこり、活力を損なうことになるからである。


 金融機関に連続して起こる"個人の問題"とされる不祥事、そして、物流業界を取り巻く不透明なもの。この二つが合わさり、臨界点を超えてくると、嘗ての暗黒社会に舞い戻ってしまう。断じて、そのような業界にはしてはいけないし、"個人の問題"を引き起こす一部金融機関の片棒を担ぐ"担ぎ手"にはなってはならないのだと思う。


 何の主張も、論理展開も無い文章ではあるが、冒頭の記事を見て、訳もなく、嘗ての悔しさが蘇ってきたので、こんな駄文を書いてみた。

2009/06/04


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