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Q 日韓トンネルを建設して経済的な採算はあいますか?
A 経済的な採算はあると試算しています。
試算によると日韓トンネル建設でもたらされる時間節約、資本節約、費用節約による便益を合計した総便益に他分野への波及効果を加えると日韓トンネルの建設費用を超える結果が出ました。これは日韓トンネル建設による効果が費用を上回ることを意味しています。従って日韓トンネルを建設して経済的な採算はあるといえます。
Q 日韓トンネルの建設費用はどのくらいですか?
A 概ね10兆円から15兆円ほどとみています。
建設費については詳細を提示できるほどの検討は行なわれていません。しかしながら1988年に開通した青函トンネルの建設費5300億円や1997年に開通した東京湾アクアラインの建設費1兆4400億円などの事例から、日韓トンネルの建設費用は10兆円から15兆円の間に納まるものとみています。
Q 佐賀県で日韓トンネルがすでに着工していると聞きましたが?
A 日韓トンネル建設のための調査斜坑が1986年から掘削されました。
国際ハイウェイ建設事業団により1986年から翌87年にかけて調査斜坑が掘削されました。場所は佐賀県東松浦郡鎮西町名護屋でトンネル掘削延長410m、幅6.5m、高さ6.0m、傾斜14度の勾配で北北西の方向に掘られています。現在は掘削されておらず、排水、換気などの保守作業を継続しています。
Q 佐賀県の調査斜坑は何の目的で掘られたのですか?
A 地質調査です。
Q 韓国側の起点は釜山ですか、それとも巨済島ですか?
A 決まっていません。
日韓トンネル研究会が提案したA,B,C3ルートでは日韓トンネルの韓国側起点は釜山または巨済島となっています。これは地質条件と施工上の有利性を要素に引いた線であり、韓国の国土開発や地域開発を考慮したものではありません。実際の韓国側の起点は日韓双方の協議の中で韓国側が主導して決まってゆくものと思われます。
Q 山口県から日韓トンネルを掘ることは検討しましたか?
A 検討しましたが該当ルートは不向きと判断しました。
山口県大津郡油屋町と韓国の釜山間は海峡幅約200Km、最大水深240mです。この数値は佐賀県東松浦半島と韓国の巨済島間と大差ありません。しかし途中に島がないのでルートとしては不利と考えます。
Q 福岡県の糸島半島は日韓トンネルの起点候補になりませんか?
A 壱岐までの海上距離が長いため不向きと判断しました。
日韓トンネルの日本側起点を糸島半島にすると、東松浦半島起点に比べて壱岐までの海上距離が10Kmほど長くなります。
Q 日韓トンネルと日本国内の交通ネットワークとの接続はどう考えますか?
A 西日本国土軸や太平洋新国土軸への接続が考えられます。
福岡を経て山陽道・東海道へつながる西日本国土軸への接続と、大分から豊予海峡、四国、紀淡海峡、紀伊半島、伊勢湾口、東海道へつながる太平洋新国土軸への接続が考えられます。現状では九州経済の中心地で吸引力の大きい福岡に日韓トンネルが接続するのが自然な流れです。しかしながら日韓トンネルがもつ広範な影響力を考えると福岡市一極のみでなく、唐津(東松浦半島)、多久、鳥栖を含めた四極構造で日韓トンネルの出入り口を形成するプランが考えられます。また人口や産業が適度に分散する国土を形成する観点から、鳥栖から東進して太平洋新国土軸への接続をも検討すべきであると考えます。
Q 日本政府は日韓トンネルについてどのように考えているのですか?
A 歴代首相が公式の場で日韓トンネルの必要性について言及するなど、日本政府は日韓トンネルの構想についておおむね前向きな視点でとらえているようです。
海部総理は1991年の廬泰愚韓国大統領訪日時の日韓トンネル建設提案に賛意を表明し、また森喜朗総理は2000年のアジア欧州首脳会議(ASEM)で日韓トンネルの建設を提案しました。
Q 政府レベルで日韓トンネルを推進する動きはありますか?
A 今後、調査の進展をみながら逐次、日韓トンネルについて窓口や予算立てが行われてゆくものと思われます。
日韓トンネルは構想として日韓両国政府で前向きに検討されていますが、日本政府として具体的な政策課題として取り上げるには到っていません。今後、韓国政府の動きなども鑑みながら必要な時期に政策課題として取り上げるものと予想されます。
Q 政府レベルで日韓トンネルを研究する動きはありますか?
A 総合研究開発機構(NIRA)が研究課題として取り上げています。
政府系シンクタンクである「総合研究開発機構(NIRA)」が2001年9月に発行した研究報告書で、注目すべき今後の交通プロジェクトのひとつとして日韓トンネルに言及したことがあります。また、2005年9月にNIRAの機関誌「政策研究9月号」に当会の高橋彦治会長(当時)の論文が掲載されています。
Q 九州の地元で日韓トンネルを研究する動きはありますか?
A 専門研究機関ではありませんが、一部の団体が研究を始めています。
日韓トンネル研究会の九州支部が今のところ唯一の専門研究機関です。それ以外では、対馬海峡をはさむ北部九州と韓国南部の自治体の支援で設立した団体が、日韓トンネルに関する研究論文を出しています。
Q 韓国政府はどのように日韓トンネルに取り組んでいますか?
A 歴代大統領の幾人かが日韓トンネル建設に言及するなど活発です。
韓国では1989年の盧泰愚大統領にはじまり、2000年の金大中大統領、2003年の盧武鉉大統領による発言など、歴代大統領の幾人かが日韓トンネル建設を日本側に提案しています。2002年からは政府レベルで日韓トンネル建設妥当性調査が始まりました。
Q 韓国の民間ではどのように日韓トンネルに取り組んでいますか?
A いくつかの研究団体が日韓トンネルを研究しています。
韓国では1986年に学識経験者の集まりである国際ハイウェイ研究会が発足しました。また1992年に建設関連コンサルタントの技術者の集まりである韓日トンネル技術研究会が発足し、日韓トンネルの調査研究が続けられています。2002年には韓国の土木技術者で構成される大韓土木学会が日韓トンネルに関するシンポジウムを開催し反響を呼びました。
Q 日本と韓国間の旅客数は年間でどれくらいですか?
A 平成18年度で年間470万人ほどです。
入国管理局のデータなどによると、平成18年には韓国から日本に234万人が訪れ、日本から韓国に237万人が訪れている。
Q 日本と韓国間の貿易量は年間でどれくらいですか?
A 平成17年で輸出入あわせて約8兆円です。
財務省の貿易統計などによると、平成17年には日本から韓国への輸出が5兆1,430億円で、韓国から日本への輸入が2兆6,960億円である。
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