韓国の消費者金融、日系企業のシェアは50%超(中)

 2位の三和マネーも、まだ業績は発表されていないが、09年会計年度は1000億ウォン以上の当期純利益を計上したと推測される。同社は、金融危機が発生した08年に若干の赤字を計上したものの、1年で業績が好転した。

 昨年3月現在、韓国で登録された消費者金融業者の数は約1万6000社。市場占有率は、ラッシュ・アンド・キャッシュと三和マネーの2社が50%以上を占めている。つまり、日本の資金が韓国の消費者金融市場を掌握したわけだ。金融監督院によると、貸付残高基準10位までの消費者金融業者のうち、半数が日本をはじめとする外資系だという。

■銀行の貸し渋りが原因

 外資系の消費者金融業者が韓国の消費者金融市場を掌握することになったのは、銀行や貯蓄銀行などの金融機関が低所得者や信用等級の低い人に対し、貸し渋りを行ったからだ。金融監督院によると、各都市銀行は信用等級の低い消費者に対して貸付を渋っているという。また、1973年に庶民の金融を支援する目的で設立された貯蓄銀行では、一般個人への貸付割合が昨年末現在で全体の12%に過ぎない。さらに、個人への貸付割合の高い一部の貯蓄銀行は年利30-40%で貸し付けるなど、消費者の見地からすれば消費者金融とあまり変わらない。

 こうした状況の中で、資金調達の金利が低く、信用等級の低い人に対する貸付ノウハウを持つ日本の消費者金融業者が、韓国の消費者金融市場に参入したというわけだ。これらは貸付時に顧客の同意を得て、国内の信用情報会社の顧客情報を活用して貸し付け審査を行うなど、体系的な貸し付け審査システムを構築した。ラッシュ・アンド・キャッシュの関係者は、「大株主がこれまで一度も配当を受けず、貸付システムの改善などに投資したため、韓国でシェア1位の地位を守ることができた」と語った。

 しかし金融機関とは異なり、消費者金融業者は信用度にかかわらず、一律年49%の上限金利を適用している。信用度の高い人に対して暴利をむさぼっているわけだ。ある消費者金融業者の関係者は、「信用等級が低い人が主な顧客だが、時折信用度の高い人が急を要する際、給料日に返済する契約で借りるケースが少なくない。こうした顧客は業者からしてみれば、まったくリスクがない」と語った。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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