第80回記念選抜高等学校野球大会

 

安房

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第80回センバツ高校野球:安房初勝利「夢のよう」 紫の応援団、喜び爆発 /千葉

 スクールカラーの紫に染まったスタンドが沸き立った。第80回記念選抜高校野球大会第1日の22日、初出場の安房は第3試合に登場し、城北(熊本)を2-0で降して甲子園初勝利を挙げた。主戦の佐野公亮投手(3年)が好投、打線も粘りを見せ、最終回に決着をつけた。公立高校ゆえに練習時間や設備の面などで制約が多いが、無欲の勝利は、安房高野球を全国に見せつけた。【斎藤有香、梅田麻衣子】

 ▽1回戦

安房

  000000002=2

  000000000=0

城北

 互いにゼロ行進が続き、迎えた九回。2死から安房は鈴木雄也選手(3年)が内野安打でしぶとく出塁。続く4番・鹿嶋勇太選手(3年)が右に適時三塁打を放ち、先制した。母の清江さん(40)は「夢のよう。でも、信じていた」と感激のあまり、その場にしゃがみ込んで涙を流した。さらに佐藤祐選手(3年)が左翼線に安打し、鹿嶋選手が還って2点目が入った。

 その裏、2死一、三塁のピンチを迎えたが、佐野投手が踏ん張り、最後の打者を打ち取って試合終了。アルプススタンドから大声援が送られた。

 安房の応援団は21日夜、館山市をバス50台で出発。総勢約5000人が紫色のジャンパーに身を包み、スタンドに陣取った。

 「攻守交代の際、全力疾走すること」と、試合前にとても控えめな目標を口にしていた渡辺諒平選手(3年)。それを実践するように、ナインは甲子園のグラウンドをきびきびと走り回った。野球部OBで現役時代に4番・捕手だった館山市、自営業、松下功さん(71)は「選手たちの必死な姿を見ていると昔を思い出す」と笑顔を見せた。

 冬のトレーニングで左打者に備えてきた佐野投手は低めに球を集め、左が4人の城北打線を翻弄(ほんろう)した。弟の文哉君(12)も地元の少年野球団で投手をしており、「落ち着いて投げていて、かっこいい。自分もお兄ちゃんみたいになりたい」とはにかんだ。

 城北の村方友哉投手(3年)も好投し、安房打線は八回までに9三振を喫していた。しかし、昨夏のエースで卒業したばかりの加藤寛人さん(18)は「相手投手は完成度が高いが、狙い球を絞れば、きっと何とかなる」と話した。九回、安房ナインがその通りのバッティングを披露した。次の試合に向け、スタンドの期待は膨らんだ。

 ◇応援のために団結

 ○…安房の応援席を盛り上げたのは、センバツのために結成された応援リーダー部の41人。剣道、テニス、バスケット部などに所属する生徒たちが「野球部のために応援したい」と団結し、今月中旬から毎日懸命に練習してきた。野球部レギュラー4人が同じクラスにいる鈴木惇史団長(3年)は「チームのために精いっぱいやるだけ。ナインが流れに乗ってきたら今度はスタンドが盛り上げる番」と話し、選手たちを後押していた。

 ◇守備よく頑張った--安房・早川貴英監督

 前半全く打てなくて終盤勝負だと思っていたが、選手たちがそれまでよく守備で頑張ってくれた。一人一人が一球一球を大切にし、全力でプレーしたことが結果につながったと思う。

 ◇次も最高のプレー--安房・岩沢寿和主将

 相手の方がチャンスが多かったが、佐野の粘り強い投球とカメラマン席に突っ込んだ佐藤の気迫あふれるプレーが流れを呼び込んだ。次も最高の仲間を信じて、全員で最高のプレーをしたい。

 2008年3月23日

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