夜間分べん時の医師不足が深刻化(上)
【特集】子供を産むのが怖い
新規の産婦人科専門医、5年間で半減
全国の総合病院103カ所のうち、当直医常駐は33カ所のみ
夜間当直できる新規男性専門医は年に10人未満
「稼げない、ビジョンない」途中で断念
#1. ソウル近郊にある人口約20万人のK市。先月21日夜10時、同市で唯一のA大学病院産婦人科に、取材陣が電話をかけた。「妊娠32週の妊婦に強い陣痛が来た。今から行ってもいいでしょうか」。すると返ってきた答えは、「当病院では分べんを扱っておりません。こちらにいらしても、何もできません」というものだった。
500床ある大学病院にもかかわらず、夜間当直の産婦人科専攻医が一人もいないため、夜間分べん室を閉鎖してから1年以上になるという。この市で出産を控えている妊婦は、陣痛に耐えながら10キロ以上も離れたソウル市内の大規模病院に行かなければならない。全出産の50%は夜間に行われるが、K市では「夜の出産インフラ(基盤)」が崩壊していた。
#2. 1月16日夜9時、ソウル市北部のB大学病院分べん室。妊婦を見守る医療スタッフは助産師一人と看護師二人だけだった。産婦人科医はいない。胎児の動きと出産の進行状況をチェックするのは、全面的に助産師の役目だ。この病院に勤務する産婦人科専攻医はたった一人のため、このように夜間当直医がいない日がある。
いよいよ出産が迫ったというとき、ようやく年配の産婦人科教授が慌てて病院に駆け込んできた。これ以前に突然、胎児や妊婦に緊急事態が起きたとしても、専門的な医学上の処置を施すことはできない。昼間に手術や診療を担当する教授4-5人が交代でコール当直(電話で呼び出した際に病院に来るシステム)を行い、夜間の分べん室をかろうじて運営しているからだ。
「少子化を克服しよう」と国全体で大きな声が上がっている中、実際に国の将来がかかっている「出産インフラ」は急速に崩壊しつつある。今や産婦人科医がいなかった1970年代のように、「助産師の手による分べん」の時代が再び到来し、夜間に医療の空白が生じ、出産に不安が伴う状況になっている。
男女平等の時代に、男性産婦人科医の不足が問題になるのは、女性医師のほとんどが夜間当直を行わないからだ。大韓産婦人科学会のキム・サンウン事務総長(セブランス病院)は、「『育児や家庭に責任を負うのは女性』という社会的なムードがあるため、女性産婦人科医は夜間分べんを担当しようとしない」と話す。
翰林大学付属江南聖心病院の李根栄(イ・グニョン)院長(産婦人科)は、「産婦人科医の中でも妊娠と分べんを専門分野にしようという医師は、韓国全体で年に10人足らずだ」と語った。
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