eComStation 何だろうシリーズその2「インストール/削除」フォルダ

February 02, 2010
テーマ:eComStation(OS/2)
すっかりベルギーチョコレートと銀食器で埋もれてしまったこのお部屋(最近はルイガノTR1目当てで来られる方も多い)ですが、最近 eComStation 2.0 が気になりますというアメンバー申請も頂きましたので、たまには eComStaion 2.0 のシステムについて書いてみるのも良かろうと思いまして・・・(;´Д`)ノ

ただこの eComStation について読んでも、このブログにお越しの大半の方がお使いであろう Windows Vista や Mac OS X には何の役にもたたない情報であることをお断りしておきます。なんたって開発ベースになっている OS/2 はコンピュータ OS 界の絶滅危惧種ですから(笑)

ちなみにこのブログは eComStation 2.0RC 日本語版について書く勝手ページでして、日本語版開発にかかわる要望やクレームなどは一切受け付けておりません。お問い合わせは開発元である Mensys へ直接どうぞ。
とはいえ eComStation Bugtracker 0001681 によれば、日本語版とスウェーデン語版のリリースを急ぐべきだという認識が示されています。しかし公式情報では触れられていないはずなので、そのうち wikipedia 日本語版にある説明からこの点を削除したいと思っています。


eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-ローカル・システム

それではeComStation 何だろうシリーズその1に続く2回目(久しぶりに書くような気がする)として、eComStation デスクトップにある「ローカル・システム」内にある「インストール/削除」に焦点を当ててみたいと思います。なお今回は超長編でお送りします、あんまり eComStation(OS/2) のエントリー数を増やしたくないので(汗)

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-インストール/削除

さて eComStation 2.0 日本語版は OS/2Warp4.5 コンビニエンスパッケージ 2(MCP2) 日本語版をベースに作成されておりますが、機能が拡張されている分「インストール/削除」フォルダの中はまだ完全に日本語化されていません。
そのため現状の eComStation 2.0 RC7 のデフォルト状態から紹介しますと、「Uninstall Features Folder」「WarpIN」「インストール済の機能」という3つのフォルダオブジェクト、そして「ACPI Wizard」「Add printer drivers」「eComCenter インストールと構成」「Multimedia Application Install」「Post-Installation Tasks」「Selective Install for Networking」「アプリケーションの登録」「システム構成 機能の追加」「デバイス・ドライバーのインストール」「プリンター・インストール」「ユーティリティー・ディスケットの作成」「機能の削除」という 12 のオブジェクトが含まれています。

ちなみに Windows と似たような GUI をもつ OS/2 ですが、デスクトップで見えるアイコンはすべてオブジェクトです。詳しくは「OS/2の基礎知識」にあるプログラムオブジェクトの項目をどうぞ。

では「インストール/削除」にあるオブジェクトのひとつひとつを見ていきましょう。なお《》内の名称は eComStation 2.0 RC5 英語版のオブジェクト名です。

Uninstall Features Folder
eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-Uninstall Features Folder

アンインストールプログラム用のフォルダでしょうか。うちの環境では「TCP/IPサービスの除去(\tcpip\bin\uninstall.cmd)」しかありませんでした。

WarpIN
eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-WarpIN

eComStation には OS/2 アプリケーションやユーティリティを追加するために WarpIN インストーラが標準搭載されています(RC7 には WarpIn v1.0.18 がセットアップされています)。ACPI Setup, APM Support, DejaVu fonts, EMX Runtime, Lucide などはここからアンインストールできます。
もちろん WarpIN 対応の OS/2 アプリをインストールする時は、このフォルダを意識する必要はありませんけどね。

インストール済の機能《Installed Features》
eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-インストール済の機能
Warp4.0日本語版では OS/2 ブートドライブにある \OS2\INSTALL 内にあった「インストール済の機能」フォルダですが、eComStation では「インストール/削除」に用意されています。このプログラムの実体は OS/2 Feature Installer Plug-in だと思われます。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-Feature Install Base - 目録

アンインストールできるものは eComStation システムに存在する特定の機能、DAX Base(これってたしか Warp4 で Win32s アプリを実行できる機能でしたっけ、でもこの環境には Win-OS2 はインストールしていないけれど・・・), Java for OS/2, LVMGUI, Problem Detemination と Serviceability and Diagnostic Aids Option(この2つは Warp4 から装備された「問題解決ツール」を含んでいます、たとえば「FFST 設定」や「DMI MIFブラウザー」「ダンプ・フォーマッター」など), {ExtraFonts} など。
なお eComStation Installer が吐くログファイル ( eComStation インストールボリュームにある \var\log\instlog.zip) に含まれる 2_CLIFI.L1 ファイルにて、Feature Installer でインストールされるものがリストアップされています。

ACPI Wizard

実体は eComStation インストールボリュームにある \ecs\install\acpiwzrd.exe です。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-ACPI Wizard error

日本語版よりマイナーアップデートしている eComStation 2.0 RC7a 繁体字中国語版でもエラーが出ていた ACPI Wizard ですが、

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-ACPI Wizard

今後きちんと起動できるようになれば、こんなウィンドウが生成されるはずです(上のスクリーンショットは eComStation 2.0 RC5 英語版のもの)。また ACPI Wizard によって生成されるハードウェア情報は随時 eComStation インストールボリュームにある \var\log\hardware.log に記録されます。

Add printer drivers

実体は eComStation インストールボリュームにある \ecs\bin\instpdr.exe です。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-Add Printer Drivers

このユーティリティは eComStation で提供されるプリンタドライバリストにドライバを追加したり PostScript Printer Description(PPD ファイル)のインポートができるようになっています。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-Select PPD

RC5 英語版からスクリーンショットをもってきました。

eComCenter インストールと構成《eComCenter Install/Configure》

実体は eComStation インストールボリュームにある \ecs\system\sguide\sguide.exe *:\ecs\system\sguide\nls\ja\scenter.sgs です。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-eComCenter Configuration1

Warp4 ではおなじみの WarpCenter も、eComStation 仕様になると eComCenter と名称変更されています。とはいえ eComStation 1.2 まではデフォルトで有効にされていた eComCenter も今や日陰の身。eCenter が標準搭載された eComStation 2.0 では、eComCenter Configuration を使わないと有効にすることができません。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-eComCenter Configuration3

「次」ボタンを押した2ページ目、Create the eComCenter object(eComCenter オブジェクトを作成する)にある Create object ボタンを押せば、eComCenter のデスクトップオブジェクトが「プログラム」→「ユーティリティ」フォルダ内に作成されます。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-eComCenter Configuration2

さらに「次」ボタンを押すと、システムの Autostart の設定の他、eComCenter のオプションを有効にすることができます。Warp4 ではエディタを使ってちまちま編集していたことも、このページでチェックして Apply Option ボタンを押すだけです。もちろん config.sys ファイルが更新されるため、eComCenter に反映させるためにはシステムの再始動が必要になりますが・・・。

Multimedia Application Install

実体は eComStation インストールボリュームにある \ecs\install\minstpm.exe です。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-eComStation MultiMedia installer1

訳せば「マルチメディアアプリケーションのインストール」というところですか。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-eComStation MultiMedia installer2

「次」ボタンを押した2ページ目、Select Multimedia Feature ではマルチメディアサブシステムのオプションを選択することができます。ここでは Add a Multimedia Feature を選択してみますが、これは eComStation 2.0 にオーディオドライバをインストールする機能です。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-eComStation MultiMedia installer3
eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-eComStation MultiMedia installer4

こんな感じです(←手抜き)

Post-Installation Tasks

実体は eComStation インストールボリュームにある \ecs\system\sguide\sguide.exe *:\ecs\system\sguide\nls\JA\ECSINS3.SGS です。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-Post-Installation Task1

このプログラム、名前のとおり eComStation をインストールする流れで最後に表示されるもののため、最初のタブが Final Tasks になっています。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-Post-Installation Task2

次のタブは Screen です。今 1024 x 768 に設定しているはずなのに、

Your current screen resolution has been set to: 800 x 600 x 65536.

になっているのは不思議ですが・・・。ここにある Screen ボタンを押すと、画面プロパティが表示され、スクリーン解像度の変更をすることができます。えーと画面プロパティの Screen タブでもたしかに 1024 x 768 になっていますが。

Note: The available resolutions are determined by both your hardware and the installed video driver. If you display adapter is not fully supported by the current video driver, the available resolutions may be limited.

またその下にある Change video driver ボタンを押すと、ディスプレイドライバを変更できます。eComStation 2.0 RC7 ではデフォルトで利用されるビデオドライバが Panorama VESA のため、インストール後の環境で SciTech SNAP を利用したい時に使います。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-Post-Installation Task3

次のタブは USER Setting です。OpenOffice.org v2.0 など一部の OS/2 アプリで必要なユーザー環境(SET USER)値を設定をします。デフォルトでは ECS_USER です。実際 config.sys ファイルをみると、

SET USER=ECS_USER

という行がありますね。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-Post-Installation Task4

次のタブは User Interface です。eComStation のルック&フィールを変更したり機能のカスタマイズをするために System Setup ボタンを押して、「ローカル・システム」→「システム設定」フォルダを呼び出すことができます。詳しくは別の機会に譲りますが、最近このブログで掲載している eComStation のスクリーンショットが Warp4 ライクなのは、「システム設定」→「見目」フォルダにある「ウィンドー・テーマ」(typoに非ず)で、Warp4 テーマを選択しているせいです。( ̄ー ̄;

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-Post-Installation Task5

次のタブは ACPI Wizard です。先に書いたとおりです。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-Post-Installation Task6

次のタブは Printer です。

To configure a local printer, click on Install Printer.

とあるのですが、実際に Install Printer を押してみると、後述する「プリンター・インストール《Install Printer》」のプログラムが起動するため、「他のネットワーク・プリンタのアクセス」も設定することができます(eComStation Installer でネットワークを設定するときに「ファイルとプリンタの共有」がインストールされていれば)。

Selective Install for Networking

実体は eComStation インストールボリュームにある \ecs\install\network.exe です。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-Selective Install for Networking

クリックすると、こんな情報ダイアログが。

This program allow you to (re)install the eComStation Networking components after installation of the system.

というわけで、「了解」ボタンを押すと、eComStation 2.0 CD を要求してきます。

アプリケーションの登録《Add Programs》

実体は eComStation インストールボリュームにある \os2\install\migrate.exe です。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-Add Programs to the Desktop

システム内を検索してプログラムをデスクトップに登録できるものです。デフォルトで参照するデータベースファイルは eComStation インストールボリュームにある \os2\install\database.dat のようです。

システム構成 機能の追加《Selective Install》

実体は eComStation インストールボリュームにある \os2\install\install.exe です。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-システム構成機能の追加1
eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-システム構成機能の追加2
eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-システム構成機能の追加3
eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-システム構成機能の追加4

とはいえ Warp4.52 日本語版をベースにしている eComStation 2.0 日本語版のくせに、なぜか英語版 OS/2 Warp Version4 Setup and Installation が立ち上がりました。しかも Country/Region は United State になっていたり、インストールされているはずのオプション項目が選択不可になっていたりするのですが・・・
他の NLS 版の eComStation でも英語版 Warp4 のインストーラが仕込まれているのかしらん。

デバイス・ドライバーのインストール《Device Driver Install》

実体は eComStation インストールボリュームにある \os2\install\ddinstall.exe です。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-デバイス・ドライバーのインストール

なぜか英語版プログラムが表示された「システム構成 機能の追加」とは打って変わって、こちらは日本語版のプログラム(OS/2Warp 4 デバイス・ドライバーのインストール)が起動しました。
まあでも以前 ThinkPad 760E/600E などで Warp4 日本語版を使っていた時も、これを使ってデバイス・ドライバーを仕込むのは、ThinkPad 機能の設定ユーティリティの一回こっきりだったので、今時の環境で eComStation 2.0 を使うなら使用する機会は無さそうです。

プリンター・インストール《Install Printer》

実体は eComStation インストールボリュームにある \ecs\system\sguide\ecsprint.exe です。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-プリンター・インストール

利用したいプリンタドライバを eComStation にインストールしてローカルポートに関連付けたり、ネットワークプリンタを追加するユーティリティです。うちの日本語環境にはプリンタがインストールされていないので、RC5 英語版からスクリーンショットを。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-ローカルプリンタ
eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-ネットワークプリンタ

Warp4 日本語版では各種 OMNIJ ドライバをドラッグ&ドロップするだけでプリンタドライバをインストールできた記憶があるのですが、eComStation 2.0 でできるかどうかは未検証です。なにせ今の環境に余計なものはインストールしたい気分じゃないので(笑)

ユーティリティー・ディスケットの作成《Create Utility Diskettes》

実体は eComStation インストールボリュームにある \ecs\install\bootdisk.exe です。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-ユーティリティー・ディスケットの作成

こちらもなぜか英語版なのですが、eComStation で利用しないユーティリティだからなのでしょうか。
実際にディスケットを作成できればよいのですが、今空いているフロッピーもないし、仮想フロッピードライバ Virtual floppy disk 3.0 をセットアップするのも面倒だし・・・というわけでモチベーションがすっかり下がっているので検証は後日(汗)

機能の削除《Selective Uninstall》

実体は eComStation インストールボリュームにある \ecs\install\uninstall.exe です。

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-機能の削除

こちらも英語版ですが、Assistance Center という eComStation にない項目があったり、アンインストールするオプションの選択ができなくなっているところをみると、やはりこれらは使わないプログラムなのでしょうか。
どうして Warp4 向けのプログラムが「インストール/削除」フォルダにあるのか不明・・・というか、eComStation 2.0 で追加インストールしたり選択アンインストールするプログラムがないのがさらに謎ですが・・・。




ところで思い出しついでに書きますが、「eComStation 2.0 GA は「ほぼ準備完了」と伝える OSNews」の記事で

最近 eComStation 2.0 のスクリーンショットの片隅に居座る黄色のキャラクターは Hyper Active 怜ちゃんの4コマまんが劇場の主人公ピヨピヨ星人ジャックでちゅ。夜伽姫の APM モニタのカスタムパネルに収録されているでちゅ。

と書きましたが、まあなぜ最近夜伽姫なAPMモニタを eComStation 日本語版で使っているかというと、eComStation eXtended Shutdown の「終了」ボタンではパソコンの電源を自動で切れないため。
eComStation 2.0 RC7で発生するAPM/ACPI Errorで書いた

Cannot open ACPI driver.

というエラーが発生するため、回避策として

eComStation 2.0 日本語版&シルバーカトラリーのお部屋-eShutdown

「デスクトップ」プロパティにある eShutdown タブの、Power-off computer のチェックを外すことが推奨されています。しかしそうすると自動で電源オフすることができないため、非常に不便。そこで夜伽姫なAPMモニタの出番、APM activity さえ有効にしておけば、Power off オプションが利用できるため、eComStation eXtended Shutdown で電源を切る必要がなくなるのです。ただし eComStation 2.0 では CAD Popup が常にアクティブになっているため、システムのシャットダウン中に一度お伺い画面が出てきますが、eComStation eXtended Shutdown のメニューは無視して確実に電源オフできるので非常に便利です。大昔にレジストしておいて良かったです(いやいや今もできると思う)。

Vector:夜伽姫なAPMモニター (OS/2,WARP / ハードウェア)【シェアウェア:\1050】



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