四回、高橋が勝ち越しの右越えソロを放つ(投手・今井、捕手・会沢)(撮影・園田高夫)
「練習試合、巨人3-2広島」(20日、サンマリン宮崎)
腰の手術から復活を目指す巨人・高橋由伸外野手(34)が広島との練習試合に「6番・一塁」で先発出場し、四回の第2打席に本塁打を放った。2打数2安打1打点の活躍で、観戦した滝鼻卓雄オーナー(70)ら周囲の不安を打ち消した。
“天才”が復活を印象づけた。同点の四回2死。今井のカーブをとらえると、打球は右翼席へ消えた。公式戦で最後に本塁打を放ったのは、2008年9月23日の広島戦。久々の手応えに「感触は(好調時に)程遠いが、結果が良かったのでホッとしている」。この一発で、チームに2010年の対外試合初戦勝利をもたらした。
誰よりも喜んだのが滝鼻オーナーだ。4年契約の2年目に当たる昨季、わずか1試合に終わったことに「ケガは予測できないが、経営的には問題」と言及。しかしこの日は高橋が途中交代後に打撃練習を行った木の花ドームに足を運び、激励した。「練習試合だから分からないが、順調であってほしい」とした。
出場翌日の腰の状態は「当然不安だよ。あしたは自分で想像がつかない」と言う。それでも21日のソフトバンクとの練習試合は、長嶋茂雄元監督、王貞治OB会長がそろう“ON観戦試合”。「元気な姿を見せられれば」と出場に意欲を燃やした。
当面は外野ではなくイ・スンヨプと一塁の定位置を争うが、原監督は「着実に、いい階段を彼は上がっている」。背番号24が、再び輝きを取り戻しつつある。
(2010年2月20日)