定型発達者もつらい…かな?

花風社・浅見淳子のブログ

欧米=自由、日本=窮屈 ではない

2009-06-03 07:45:03 | 日記
5月30日の研修を通じて、私が感じたのは
「絶対に迷惑行動を阻む」という欧米の療育哲学の強さです。

日本人の間では、えてして
窮屈な日本と違い、欧米はなんでも自由、という間違った思い込みがあるかもしれません。
けれどもそれは違います。
アングロサクソン系の国ではとくに、感情をコントロールできないことは未熟なこととみなされ、厳しく判断されます。
酔っ払いにも日本よりずっと厳しいし
日本のように人が集まる場で騒ぎまわっている子どももいません。
世界中から人が集まるリゾート地でも、元気に大声を出しているのは大体アジア系の子どもです。
アジア系には子どもの腕白を許す文化があります。
子どもは騒がしくて当然と思われているし、大人がそれを許します。
だからある意味で、欧米の自閉っ子のほうが肩身の狭い思いをしているのではないかと思うことがあります。
他の子たちが日本以上にきちんとしつけられているからです。

知人で、英国のパブリックスクールに育った人がいます。
富裕層の子どもたちが学ぶ全寮制の学校。
そこでの生活は質素なものだったそうです。
お風呂は週に何回か。しかもお湯が2センチしか入っていないとか
夜健やかに眠れるように、とにかく徹底的に激しい運動をし、
それでも食事は質素で、ときにはカビが生えたパンが出たこともあったとか(日本だったらそんなもの学校が出したら大問題ですよね)。
でもこれも紳士教育の一部なんだとか。
たとえまずいものを出されても、文句を言わず、優雅に世間話をする。
それが英国紳士の条件だそうです。食いしん坊の私にとうてい真似はできません。

The CAT-kitは、英国の紳士教育のような哲学に貫かれているように思えました。
激しい感情を持つことは悪くない。
でもそれを他人にぶつけてはいけない。
他人に迷惑をかけてはいけない。
ましてや触法行為に発展させてはいけない。
感情を爆発させることは、自分にとっても損である。
だから、そのために徹底的に教える手段を提供する。
これが日本で広まればどんなにいいだろうかと思いました。
自閉症の人と非・自閉症の人の共存が
ずいぶんラクになることでしょう。

写真はプーケットのビーチ。世界中の人々が集います。
様々な文化があることを観察するにもいい場所なんですよ。
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