定型発達者もつらい…かな?

花風社・浅見淳子のブログ

なんでもあり時代もあり その1

2009-06-19 07:26:40 | 日記
ちょっと前の話ですが
ケーブルテレビでマイケル・ムーア監督の「シッコ」を見ました。
ご存知、アメリカの惨憺たる健康保険制度についての映画です。

国民皆保険がないアメリカでは、世界最先端の医療がありながら
医療と国民の関係が、めちゃくちゃになっている。
その惨状を描いています。

救急車は呼ぶことを予め保険会社に届けなければ(いつ?)有料に(しかもかなり高額に)なるとか
前頭葉のガン治療を「致命的でない」という理由で保険会社が拒否するとか
(結局この患者さん、手術できなくて亡くなるんですが)
ひどすぎるエピソードがたくさん出ていました。

医療難民となって、国外脱出した人の話も出ていました。
越境してカナダ人の振りをする人もいたし
フランス在住のアメリカ人たちのインタビューに
長い時間が割かれていました。
医療も子育て支援も充実したフランス。
(高い税金と引き換えですけれど。)

私が自閉症関連の本を出し始め
アメリカが療育先進国だと知ったとき
一番初めに感じた疑問がこれでした。
「高福祉国家ではないアメリカで、なぜ?」
国民皆保険、年金制度、こういうのは日本のほうがまだかなりマシです。
とくに今の高齢者世代はね。
この世代は選挙行くしね。人数も多いしね。それに、現役時代は右肩上がりだったしね。

一方で「彼女の名はサビーヌ」という映画が来ているらしいですけど
この映画(見てません)の説明を読む限り、監督の妹さんが高機能自閉症だと見抜ける人がいなくて
問題行動に対処しきれず
薬漬けにされた経緯のドキュメンタリーのようです。
医療や子育て支援の充実しているフランスでも、自閉症支援はまだまだなのかな。
その国ごとに、得意な福祉分野があるのでしょう。
どの国もリソースに限りはありますからね。

「高福祉国家ではないアメリカで、なぜ?」という疑問を抱いて作ったのが
「自閉っ子、深読みしなけりゃうまくいく」(写真)です。
取材した結果
アメリカの療育は意外と安上がりで、しかも効果を上げているように思いました。
そして日本とアメリカがとても違うものは
予算というより自閉症に関する知識だと。

知識があると支援ができる。
当たり前の話ですが。
心でっかちな自閉症解釈をしているうちは
支援はなかなか難しい。
ちょっと前の日本ってこのへんだったんじゃないかな。

ま、今もそうかもしれないですけど。

続きは、明日。
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