「自閉っ子、深読みしなけりゃうまくいく」の著者、トニママさんが来日中、久しぶりにおしゃべり。
トニママは高機能自閉症のトニー君のお母さん。だんな様は日系アメリカ人で、トニー君の下に定型発達の息子さんがいます。
自閉っ子療育民営化の現場についてききました。
私がアメリカに取材に行ったときに感じたのは
「ああ、アメリカは自閉っ子療育の民営化を容認しているからいろいろ進んでいるんだな」ということでした。
たとえば、障害がある子の権利として
STやOTの人が学校に来てくれたりします。
その子の症状に応じて、週に何回かのセッションが保障されたりします。
親たちはときには弁護士を雇って、この権利を勝ち取ります。
ここで来てくれるSTやOTの人たちは民間人。
フリーの人もいます。そして学校での「営業」も許されています。
学校でセッションを受けること自体には自己負担はありません。
でもOTやSTのほうにも「もっと受けたいならうちのクリニックに来てね。一時間100ドルよ」という「営業」が許されています。だから学校でのセッションにもメリットがあるわけですね。
「無料のだけでいいや」という人はそれでいいし
「もっともっと受けさせたい」という人は1時間100ドル払って通えばいい。
大変に割り切っています。
トニママ一家は昨年、ハワイでバケーション。
障害児向けサマーキャンプを欠席したそうです。
そうしたら学校から電話がかかってきたそうです。欠席だという話が通じてなかったらしい。
学校では「子ども一人当たりに先生何人」という割り当てで先生を手配するので
人数が揃わないと突然「いらないよ」と言われる先生が出てきてしまうそうです。
そうすると先生のほうでも当てにしてた手当てがパー。
だから出席する人数はシビアな問題なんですって。
そのくらいしっかりとコスト計算をやっているということですね。
アメリカの進んだ療育の陰には、こうした非正規雇用・格差を容認する社会構造があります。
そして良いサービスにならお金を払う用意がある消費者の存在があります。
ついでに、お金が払える人と払えない人がいても当然、と受け止める風潮があります。富める者が得をする。それが資本主義社会だと。
トニママに今日本で問題になっている「非正規雇用」の説明を一生懸命したんですけど
これはなかなかアメリカで暮らしている人にはわかってもらいにくい問題だと思います。
なぜならアメリカでは全員が非正規雇用みたいなもんですからね。
日本と違うのは、高給の非正規雇用の人も多いっていうことだけでしょうか。スキルがあれば高給。でもエリートでもクビの危険はある。
学校の先生も、教育予算が削られればクビになります。
新学期になると、消えている先生がたくさんいるそうです。
予算は成績のいい学校に重点的に投下されるそうです。
なかなかシビアな社会ですが
つねに雇用がかかっている先生のほうが仕事に励む面はもちろんあるでしょう。
つねにスキルを磨こうとするでしょう。
どっちがいいか悪いかということではなく、
とにかく大変に日本と違う教育現場なのでした。
トニママは高機能自閉症のトニー君のお母さん。だんな様は日系アメリカ人で、トニー君の下に定型発達の息子さんがいます。
自閉っ子療育民営化の現場についてききました。
私がアメリカに取材に行ったときに感じたのは
「ああ、アメリカは自閉っ子療育の民営化を容認しているからいろいろ進んでいるんだな」ということでした。
たとえば、障害がある子の権利として
STやOTの人が学校に来てくれたりします。
その子の症状に応じて、週に何回かのセッションが保障されたりします。
親たちはときには弁護士を雇って、この権利を勝ち取ります。
ここで来てくれるSTやOTの人たちは民間人。
フリーの人もいます。そして学校での「営業」も許されています。
学校でセッションを受けること自体には自己負担はありません。
でもOTやSTのほうにも「もっと受けたいならうちのクリニックに来てね。一時間100ドルよ」という「営業」が許されています。だから学校でのセッションにもメリットがあるわけですね。
「無料のだけでいいや」という人はそれでいいし
「もっともっと受けさせたい」という人は1時間100ドル払って通えばいい。
大変に割り切っています。
トニママ一家は昨年、ハワイでバケーション。
障害児向けサマーキャンプを欠席したそうです。
そうしたら学校から電話がかかってきたそうです。欠席だという話が通じてなかったらしい。
学校では「子ども一人当たりに先生何人」という割り当てで先生を手配するので
人数が揃わないと突然「いらないよ」と言われる先生が出てきてしまうそうです。
そうすると先生のほうでも当てにしてた手当てがパー。
だから出席する人数はシビアな問題なんですって。
そのくらいしっかりとコスト計算をやっているということですね。
アメリカの進んだ療育の陰には、こうした非正規雇用・格差を容認する社会構造があります。
そして良いサービスにならお金を払う用意がある消費者の存在があります。
ついでに、お金が払える人と払えない人がいても当然、と受け止める風潮があります。富める者が得をする。それが資本主義社会だと。
トニママに今日本で問題になっている「非正規雇用」の説明を一生懸命したんですけど
これはなかなかアメリカで暮らしている人にはわかってもらいにくい問題だと思います。
なぜならアメリカでは全員が非正規雇用みたいなもんですからね。
日本と違うのは、高給の非正規雇用の人も多いっていうことだけでしょうか。スキルがあれば高給。でもエリートでもクビの危険はある。
学校の先生も、教育予算が削られればクビになります。
新学期になると、消えている先生がたくさんいるそうです。
予算は成績のいい学校に重点的に投下されるそうです。
なかなかシビアな社会ですが
つねに雇用がかかっている先生のほうが仕事に励む面はもちろんあるでしょう。
つねにスキルを磨こうとするでしょう。
どっちがいいか悪いかということではなく、
とにかく大変に日本と違う教育現場なのでした。