公開された米海兵隊の実弾演習。現場にあった水色の砲弾には白リン弾を示すとみられる「M825」と記されていた=3日、大分県玖珠町の日出生台演習場、藤脇正真撮影
大分県の日出生台(ひじうだい)演習場で2日から11日まで実弾射撃訓練をした在沖縄米海兵隊が、人体に触れると重いやけどにつながる可能性があり、非人道的兵器として批判のある白リン弾を使っていたことが、わかった。地元の市民団体からは反発の声が上がっている。
訓練で使われたとされる白リン弾(M825)は空中で炸裂(さくれつ)し、白リンを含む100個余りのフェルト片が周囲に飛散して発火する。イスラエルが2008年末から09年にかけてパレスチナ自治区ガザで使い、民間人多数が死傷したことから、国際人権団体などが非人道的兵器として批判している。
3日の訓練公開時、M825とみられる水色の砲弾が現場にあったため、朝日新聞が確認を求めたところ、訓練を指揮した第12海兵連隊第3大隊のショーン・ウェスター中佐がM825を使ったと文書で回答した。
訓練公開後の3日午後、演習場で枯れ草が約1500平方メートルにわたって焼ける火災があったが、訓練を監視していたローカルネット大分・日出生台(事務局・大分県由布市)の浦田龍次事務局長は「出火は砲弾が連射された直後で、白リンの破片が周囲に飛散し、火事になった可能性がある」としている。
米海兵隊は、08年の矢臼別演習場(北海道)での実弾射撃訓練でも白リン弾を使ったと認めている。(野崎健太)