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来年の冬季国体ピンチ 引き受け自治体現れず

2010年1月21日12時32分

 2011年冬季国体の開催地がいまだに決まらない。財政負担を嫌う自治体が引き受けたがらないからだ。日本体育協会は今年度末までにメドをつけたいとしているが、具体的な見通しはなく、開催中止も現実味を帯びてきている。日体協の泉正文国体委員長は20日、「これほど窮地に立たされたのは初めて」と危機感を口にした。

 日体協などは、自治体の持ち出しを減らすために様々な対策を立てている。今年の「くしろサッポロ氷雪国体」の場合、サッカーくじからの助成金約6700万円をはじめ、日体協の交付金が6年前の約10倍の3千万円、さらに昨年からスキー、スケート、アイスホッケーの各競技団体が各300万円ずつ負担するようになった。開閉会式も今回から取りやめた。それでも、道や札幌、釧路両市の負担は、実行委員会への支出分だけで約5500万円に上る。

 昨年の政府の事業仕分けでは、国体の意義そのものに疑問の声が出た。特に冬季国体は注目度が低く、スポンサー集めも厳しい。12年冬季国体こそ岐阜県と愛知県の共催に決まったが、13年以降もまったくの未定だ。

 「国体の灯を消さないようにしたい。なくなれば冬季スポーツは衰退してしまう」と泉国体委員長。冬季国体の開催に穴が開くと夏季国体のあり方にまで影響が出ることを恐れ、あくまで毎年の開催にこだわる考えだ。将来的には同時期に開催される高校総体と合併したり、ジャンプなど競技別に開催地を固定したりして開催する案が出ている。(阿久津篤史)

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