消防法違反、都内で９割　居酒屋火災で立ち入り検査

　昨年１１月、東京都杉並区の雑居ビルにある居酒屋で１６人が死傷した火災を受け、東京消防庁は１９日、都内の同様の建物２７０２棟を立ち入り検査した結果、うち２５２９棟（９３・６％）が消防法などに違反していた、と発表した。

　検査は昨年１１月末から１月末にかけ、火災があった杉並区の雑居ビルと同様に３階以上や地下に飲食店などが入る建物を対象に実施。違反は、避難訓練をしていない、階段に避難の障害となる物が置かれている、など防火管理関係が多かった。

　検査対象には、２００１年に４４人が死亡した新宿区歌舞伎町のビル火災後に検査した建物も６４７棟含まれていたが、これらの建物の違反率は前回と変わらず９割以上だった。

　東京消防庁は、テナントの入れ替わりが多く、前回の検査時に改善されても、新たに入居したテナントが違反を繰り返すケースが続いているとみている。