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【政治】

民主か自民か中立か 日医会長選三つどもえ

2010年2月21日 朝刊

 四月に行われる日本医師会(日医)の会長選が、政党との距離をめぐる路線対立に揺れている。三つどもえの構図となりそうな会長選の行方は、今夏の参院選に向けた民主、自民両党の戦略にも影響必至だ。

 三選を目指す唐沢祥人会長(67)は二十日夜、都内で記者会見し、「今まで考えてきたことをさらに進めたい」と、正式に出馬表明した。茨城県医師会の原中勝征会長(69)、京都府医師会の森洋一会長(62)もすでに出馬表明し、選対事務所を開設するなど集票活動は過熱している。

 唐沢氏が委員長を務める日医の政治団体・日本医師連盟は政権交代後、自民党支持を白紙に戻したが、唐沢執行部は長年関係を密にしてきた自民党色が強い。診療報酬改定を決める中央社会保険医療協議会(中医協)の委員から日医枠がなくなったのも、民主党政権との距離を象徴した。

 一方、原中氏は、昨年の衆院選で民主党を支持。「国民の医療や福祉は政府と一緒に行動しなくてはいけない」と、鳩山首相や小沢一郎幹事長らとのパイプを誇示する。

 参院選対応をめぐっても、唐沢氏は「(現方針を)継続していきたい」と組織内候補として自民党現職の西島英利氏(比例)の擁立方針を崩していない。だが、先月の日医連の執行委員会でも擁立見直し論が出ており、原中氏が会長職に就けばこれが加速しそうだ。

 政治色が強い両氏に対し、森氏は「第三の道」を掲げる。「政治に左右されない」日医の自立路線を唱えるが、参院選対応は不明確だ。投票は四月一日に予定する代議員会で、代議員約三百五十人によって行われる。

 

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