いわき市の空き家で95年3月、同市勿来町四沢、無職、渡部米(よね)さん(当時74歳)が絞殺体で発見された殺人事件の公訴時効が成立していたことが17日、県警への取材で分かった。
渡部さんは同年1月7日午後3時ごろ、自宅近くのパチンコ店を出たまま行方不明になった。家族が捜索願を出したが、同年3月21日、同市田人町南大平の空き家で、布団の中で首を絞められて死亡しているのが発見された。いわき南署の捜査本部は、殺人事件として犯人の行方を追っていた。当時の知人によると、渡部さんは多額の金を貸していたという。
改正前の刑事訴訟法は、殺人罪の公訴時効は犯罪行為が終わった時点から15年と規定している。同署は福島地検いわき支部と協議し、司法解剖の結果などから行方不明の直後に殺害されたと見て、同年1月7日を起算日にした。県警刑事総務課によると、捜査員は延べ3万729人を動員した。【蓬田正志】
毎日新聞 2010年2月18日 地方版