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フォークランド:英の石油探査にアルゼンチン反発

【ロンドン会川晴之】1982年に英国とアルゼンチンの紛争に発展した南大西洋の英領フォークランド(アルゼンチン名マルビナス)諸島沖で、英石油会社が週明けにも石油・天然ガスの探査作業に入る。同諸島の領有権を主張するアルゼンチン政府は強く反発し、両国間の緊張が高まっている。

 資源探査は、英ディザイヤー・ペトロリアム社が担当、同諸島北部沖の海底で実施する。同海域には推定35億バレルの石油資源、9兆立方フィートの天然ガス資源があるとされる。同海域では98年にも探査が実施された。だが、当時は原油価格が1バレル=10ドル前後と低迷していたため、開発を断念したが、油価は現在、80ドル前後を推移し採算が取れる可能性がある。北海油田の生産量が落ち込み、エネルギー純輸入国に転落した英国にとって極めて重要な資源ともいえる。

 一方、アルゼンチンのフェルナンデス大統領は16日、アルゼンチンから同諸島に向かう船舶は、政府の事前承認を得る必要がある、とする大統領令に署名した。アルゼンチンから資源探査用の機器を運搬する船舶の航行を阻止するのが狙いだ。

 ミリバンド英外相は「開発は国際法に則したもの」と、アルゼンチンの領有権を認めない考えを改めて強調、ブラウン首相も「フォークランド諸島の安全を守る」と述べた。

 英国とアルゼンチンは82年にかけて同諸島の領有をめぐり交戦、双方で約900人の戦死者が出た。

 英国は今年6月までに総選挙、アルゼンチンは来年に大統領選挙を控え、ともに外交的な弱腰を見せられない状況にある。

毎日新聞 2010年2月20日 20時28分(最終更新 2月20日 23時42分)

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