大島理森幹事長記者会見(役員連絡会後)
平成21年11月17日(火)
於:院内第24控室
(役員連絡会の内容説明)
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大島理森幹事長発言
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「谷垣総裁は、お体に異常がないことがはっきりした。まだ顔が腫れている。したがって、しばしその顔の腫れを直してからということで、今朝、総裁から『できれば来週から復帰したいという思いである。くれぐれも役員連絡会のメンバー、党所属議員の皆さま方には大変申し訳ないが、よろしくお伝えいただきたい』との伝言があった」
「逝去された武藤嘉文元総務会長の党葬について、12月1日(火)14時から岐阜グランドホテルにて行われる。葬儀委員長は谷垣総裁、喪主はご長男の武藤嘉行氏である」と発言した。
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川崎二郎国対委員長・鈴木政二参議院国対委員長発言
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「先週の水曜日から、与党民主党の国会運営の大転換がなされた。つまり、水曜日までは会期延長を早々とおっしゃっていたが、急にどこからか指示があったのか、神の声なのかわからないが、『この国会延長せずにやれ』という指示があったようだ。それを踏まえて、我々が与党の時代でもいまだかつてしたことのない採決、それも委員長職権で本会議の趣旨説明を2本立ててやるということはなかったが、そういうことを昨日やった。議長のところにも、私ども国対委員長が行き、その後、与野党国対委員長会談を行い、今後はしっかりとした審議時間を取るということで、今日の本会議になった次第である。
今後、与党側がこの会期の中で今提出している法案を処理しようと思えば、すべからく強行、あるいは審議打ち切りとかをしないと、とてもそこにはまる日程があるわけではない。第1点なぜそうするんだろうか、一言で言えば、鳩山総理隠しと思わざるを得ない。数の暴力、あるいは数の力によって、鳩山総理が所信表明演説でお話しされた『政治主導でしっかり議論していきましょう』と言ったこととすでに違う国会運営がなされていると言わざるを得ない。いずれにしても、そういう諸々のこと、党首討論についても、いまだはっきりした返事がないことをみれば、鳩山総理を隠すために、国会に出さないようにするために、やっているとしか思わざるを得ない。誠に残念である。我々野党としては、しっかりと国対委員長間で話した十分な審議をするという約束をしたので、そのことを求め断固強い姿勢で臨んでまいりたい」との発言があった。
同意人事には、私どもは再三申し上げてきたが、まず天下りに対する政府与党の姿勢が180度違ってきた。加えて、今度の同意人事は、これから国家公務員の改革という問題について、労働権の問題も含めて、重要な論点がそこに含まれているとすれば、ついこの間まで事務次官をやった方がその任にふさわしいかどうか等々を考えて、反対いたすことにする。
加えて、日米首脳会談、APEC等々に総理が出てまいったので、私どもは、これほど大きな問題点が毎日のように、バラバラな内閣の意見開陳が報道されている中で、当然に国会に報告をし、そのことについても議論していくことを強く求めている。
予算委員会の集中審議を求めているが、こういう大事な時期に、何と与党の予算委員会の筆頭理事が海外に出張している。こんな状況で、総理の言う「国会の場で大いに議論しましょう」ということがそのまま実行されていない、言葉の信頼性がないと言わざるを得ない。我々としては、国会に十分な、しっかりとした審議をするという方針に基づいて、これから厳しく対応してまいりたい。
さらに、茂木敏充報道局長からも事前にお知らせしているが、今朝、農林水産委員会で民主党の所得補償の考え方について、わが党の宮腰光寛農林部会長がきちっとした質問をしているが、何を答えているか、ちっともわからない。これらについても、我々は各委員会できちっと議論し、国民の皆さま方にその内容を知ってもらう。あるいは与党からすると、政府として説明する。これが政治主導の政治であるから、そういう風なことを論点を整理しながら、私どもは広く国民の皆さま方に伝えていくと同時に、改めてこの国会での為すべき議論をしっかりしてもらうことが非常に大事な姿勢であると思う。
したがって、今後国会が緊迫し、どういうことが起こるかわからないので、私どもは禁足を原則として臨んでまいりたい。
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その他の発言
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今週の20日(金)に、第3次となる衆議院小選挙区支部長を本部で内定し、その後、県連に確認した上で、支部長を決定していく。いずれにせよ、各地方首長選挙の結果、私自身、谷垣総裁、石原伸晃組織運動本部長が、各県連等々に出向いて、党改革のあり方、今の政治状況をお話していると、この事業仕分けや今政府が行っている姿を見て、「自民党頑張れ」という声を少しずつではあるが、しっかりと肌で受けている。
特に事業仕分けのあり方についても、様々に地方の方から質問を受けているが、あの報道、実態を見ると、今日も新聞で報道されていたが、そこの参加議員が「この案件は私が興味を持っている、賛成しているから、残してほしい」と。そこには、天下国家がない。わずか1時間で良い悪いを簡単に裁断してしまう。なおかつその下書きは財務省が大体作っていると聞いている。これから予算編成にわたって、予算が復活するものもあると思うが、何かパフォーマンスにしか見えない。やはり、予算、事業というのは、それぞれに根拠があり、そういう中にあって、どのような影響があり、どのような効果があるかということを真摯に議論して、国全体として必要かどうかという判断に基づいてなされるのが本来の事業仕分けであろうかと思う。我々が与党時代に、既にこの事業仕分けを行い、無駄撲滅PTを作って進めてきて、4000億円、5000億円削減の成果をあげてきた。その間は、侃々諤々(かんかんがくがく)の議論をやってきたので、今日の事業仕分け、ある報道によれば、「公開処刑」「公開裁判」というのもあったが、国民国家のために真剣な議論をしていくべきではないかという危惧を感じる。
さらに、昨日今日だと思うが、大変心配な報道を見た。それは外国人参政権の問題で、小沢民主党幹事長が熱心に成立を目指そうとしているという報道であるが、その中で韓国政府サイドから要請があったからということを平気でおっしゃられた記事を見て、もしこれが本当ならば、これは日本国の主権の問題、統治行為そのものに関わる問題である。どこどこの国の要請があるからやるということを簡単に言うべき話ではない。本当にそうおっしゃったのかわからないが、非常に奇異に感じた次第である。断固、我々はそういう視点ではなく、国民主権のありようという観点から私どもは、この問題をとらえていかなければならないし、どこどこの国から要請があったからやるべきという判断でもないと思っている。
総理のご発言についてのコメントは、いささか疲れてきたが、「ブルネイは無税で良い国だ。そこに移住したい」という報道があった。一国の総理が、軽々しくそういうことを言うべきではない。我々は、国民の皆さま方の血税でこの政治行政を行う立場であり、その中で憲法には納税の義務もある。冗談にしては、一国の総理大臣の発言とは思えないし、取り消すべきだと思う。ご自身の政治資金の報告も、脱税の問題点が含まれている。あるいは、株の売買、この所得隠しと思われるような状況も、税との関係で問題点が潜んでいるかもしれない。こういうときに、そのような発言を軽々しくお話したり、オバマ大統領とあった翌日、シンガポールに行って、開き直ったようなあのような発言をしたり、私はこの頃、鳩山総理の言葉そのものへの疑念と信頼性の欠如に対して、だからこそ国会の場で、その問題についてしっかりやっていかないといけないと思っている。
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今日から衆院で審議入りする中小企業金融円滑化法案と、与党が会期内に成立を目指す郵政株式売却の凍結法案について、党内での意見調整が難しいと思いますが、今後はどのように対応していくのでしょうか。
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中小企業金融円滑化法案については、「はいそうですか、「賛成」という内容ではないと聞いています。郵政株式売却の凍結法案については、わが党の中にいろいろな意見があるとしても、これこそ徹底的に議論して、今の政府が郵政について、将来的にどういうことを考えているかということを明らかにしないといけない法案だと思っています。
我々は、小泉内閣のときにこれを了として法案を成立させました。その基本は変えてはいけないと思っています。ただ、進めていって箇所、箇所に正していかなければならないものは、より一層、民営化の国民利益が受け取れるようにしていくというのが我々の使命ですから、一旦作ったものを全部その通りやるのは政治ではありません。基本は、我々は変わりません。その中で国民へのサービスにとって、どうあるべきかというのは大いにしていきます。
そういうこと等々から、この株式を売却することを凍結するというだけの議論で終わってはいけないわけです。民主党政府、鳩山政府がそうやった後、天下りの問題、あるいは本当に国民に負担を求めないのかという議論もあります。あるいは、こんなに民主党が考えているようなことを進めると、民間の金融機関とのイコールフッティングの問題もあるでしょう。
そういうことを明らかにしたうえでいかないと、ましてやこの法案を半日とか、1時間くらいで処理しようというのは、絶対に許せることではないと思います。
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事業仕分けについて、本日午後に衆院本会議が開催されることから、仕分け人の中に国会議員が1人もいない、民間の仕分け人だけで事業仕分けを行う場面も出てくるようです。民主党は「政治主導」と盛んに言いますが、一方で国会議員が1人もいない中で事業仕分けを行うことは、これは両立するものだとお考えになりますか。
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しないと思います。予算は、立法府で議決するもので、ましてやその政府が判断することです。本会議があるのであれば、伸ばしたらよいのではないでしょうか。そこに参加している方々が、国民に対して何の責任を持つのか、国会に何の責任を持つのでしょうか。
亀井大臣が言うように、何か外国の方も入っているように聞いていますが、学者の参考意見を聞くのなら、それはそれでよいでしょう。政府の予算決定過程が重要なのであれば、まさにおっしゃる通り「政治主導」と言うならば、民主党の国会議員がそこにいて判断することが、自分たちの責任で、まさに「政治主導」というのは、政治家が責任を持つということです。
何のために選挙をやって選ばれたのでしょうか。そういうことからしても、先ほど申し上げたように、結果としては「パフォーマンスに過ぎないのではないか」と言わざるを得ません。
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