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【Corpus Study】コーパスで学ぶ本物の英語

最上級と順位の表現法

滝沢直宏:名古屋大学大学院教授

 前回は、この1月にアラブ首長国連邦のドバイに誕生した超高層ビル、ブルジュ・ハリファ (Burj Khalifa) にちなみ、「世界一○○な〜」を表現するのに便利な「the world's 最上級形+名詞」というパターンを見ました。このビルができるまで世界一高かった台北の Taipei 101は、今では the world's second tallest building ということになります。

 では、「Taipei 101 はブルジュ・ハリファに次いで、世界第2位の高層ビルである」の「に次いで」を英語で表現するにはどうしたら良いでしょうか。コーパスで、「second+最上級形+名詞」という検索をし、名詞の後に来る語に注目すれば、その答えが前置詞 after であることが分かります。したがって、上の文は、The Taipei 101 is the world's second tallest building after the Burj Khalifa. のように書けるわけです。

 after の代わりに behind を使うこともできます。The New York Times 紙から、実例を挙げます。In 2005, Mr. Mittal became the world's third-richest person behind Bill Gates and Warren E. Buffett. この文は、インド出身の実業家 Mittal 氏が Gates 氏と Buffett 氏に次いで世界第3位の金持ちになったことを述べています。(この例のように、third などの序数とその後ろの最上級形は、ハイフンでつないで一語でつづられる場合もあります)。

 この表現パターンを利用して、Google などの検索エンジンで "Africa's third largest country after (あるいは behind)" のような検索を行うと、アフリカで三番目に大きい国がどこか、そして同時に第1位と第2位がどの国かを調べることができます。実際にやってみると、アフリカで第3位の大きさをもつ国は Congo (コンゴ民主共和国)で、第1位が Sudan、第2位が Algeria であることが分かります。

 では、after / behind の反対は何でしょうか。答えは、followed by です。次の文を見てみましょう。The University of Southern California had the most international students, 7,189, followed by New York University and Columbia. (The New York Times 紙) この文は、最も多くの留学生がいたのは南カリフォルニア大学で(7,189人)、次はニューヨーク大学、そしてコロンビア大学だと述べています。the mostを the America's most にすれば、「アメリカで一番多い」という限定を付けることになります。

 もう一つ例を挙げます。The United States is by far the largest trading partner, followed by China, Brazil, Spain and Great Britain. (同紙) 米国は、最大の貿易相手国で、中国、ブラジル、スペイン、英国がそれに続くと述べています。この文では、最上級形の前に by far が付いているので、2位との差が大きいことが分かります。

 反対に差が小さい場合はどうなのでしょう。コーパスで調べると followed by ... の前には closely が現れやすいことが分かります。上の文を、The United States is the largest trading partner, closely followed by China, Brazil, Spain and Great Britain ... のようにすれば、差が接近している (close) ことを表現できます。

 今回は、最上級形と組み合わせて、どのように第2位、第3位を表すかを見ました。


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