夢幻戦士ヴァリス
外伝LENA
(PCコミックワールド掲載)
1992年8月に創刊された“PCコミックワールド”という雑誌に、武林武士氏によるヴァリスのオリジナルストーリーが連載されていました。
英知出版から出たこの雑誌は、めずらしい、PCエンジン専門のゲームコミック誌であり、他には『ドラゴンスレイヤー英雄伝説』『魔物ハンター妖子』『モンスターメーカー闇の竜騎士』などがタイトルに名をつらねています。また、『ゆーこちゃんが行く!』を描いた松本英孝氏も参加してます。
第5巻以外は、表紙イラストは九月姫氏による『モンスターメーカー』でした。

さてこの『夢幻戦士ヴァリス外伝LENA』は、題名のとおり、レナを主人公とする、外伝エピソードです。(余談ですが、表紙では、なぜか5巻とも『ヴァリスIV』というタイトルになってます)

【第 1 回】
冒頭、夢幻界を襲う新たな敵と戦うヴァリスの戦士レナが、ボスキャラ(フロスガー)の剣で壮絶な死を遂げるシーンから始まります。
ところで、この話しは『ヴァリスIV』の続編というか後日談なのですが、奇妙なことに、レナの妹アムが何の説明もなく生きて登場します。武林氏がアムを出したかったけど生きかえらせるアイディアを思いつかなかったので説明抜きで出しちゃったのか、あるいは、『ヴァリスIV』を最後までクリアできなくて、アムが死んだことを知らなかったのか・・・。
死んだレナは、天界で女神となっている優子によって、人間界に転生させられます。
そこでは、レナはかつての優子と同じセーラー服姿の高校生で、麻生優子という名前になっているのです。
(ただ、男女共学のようなので、学校は違うとこみたい)

【第 2 回】
学校には、なぜか先生役でチャム(もちろんIVで大人になってる方)がいて、「今のおまえではヴァリスの剣の真の力は発揮できん!」みたいなコトを言って、レナを特訓でシゴきまくります。
そのころ、レナがいなくなった夢幻界では、ダークロード軍の侵攻を食い止めようと、アムたち(ヴァリス軍と呼ばれる)が奮戦。
ヴァルナ女王は、最後の手段とばかり、封印されてたレーザスの剣を持ち出そうとします。(あれ? 天界に返されたんでは?)

【第 3 回】
トビラがカラーイラスト(上の図)でした。
今回の大ボス、ダークロードの目的は、ヴァリスの剣とレーザスの剣の両方を手に入れ、神をも支配することだと判明。グラメスがすでに失敗してますが、それ・・・・。
森で特訓中のレナとチャムは、なぜか人間界まで追っかけて来たらしいフロスガーに襲われ、大苦戦。
それにしても、弱すぎるぞ! レナ!

【第 4 回】
トビラから冒頭5ページがカラー。なかなかキレイ。
フロスガーの精神攻撃でレナは倒されるが、そこに颯爽と現れる優子! 
設定上『IV』の女神優子だけど、ゲームと違って、外見が少女っぽい。
さすがは本家ヴァリスの戦士! 圧倒的なパワーでフロスガーを撃退し、レナとチャムを救う。
あ、言い忘れてましたが、1回目から登場している男の子キャラ(レナに惚れている)がいまして、彼の呼びかけで、レナは意識を取り戻します。
一方そのころ夢幻界では、ダークロード軍の攻勢によってアムも倒れ、ヴァルナはいよいよレーザスの剣を持ち出すが、これはフロスガーに奪われてしまい、次回につづく!

【第 5 回】
夢幻界でダークロードと戦って倒れたアムが人間界に送られてくる。何の説明もないけど、レナのときと同じく、女神優子が助けて、レナやチャムのもとに送ったと思われます。
息を取り戻したアムの口から、ヴァリス軍が全滅したことを知らされたレナは、チャムの制止をふりきり、夢幻界へ戻ることを決意。
で、前回の場面の続きで、大ボスであるダークロードを殺して、レーザスの剣を手に入れたフロスガー。どうやら、真の敵は、やっぱりこいつらしい。

ラストのページ。
降り立つレナとアム。
「帰ってきた・・・・・この夢幻界に!!」

“ Vol.6へつづく ”
とありますが、残念ながら、続きません。PCコミックワールドは、このVol.5をもって廃刊になってしまったのです。