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どこまでも続く紅い海。
僕とアスカ以外誰もいない世界。
僕とアスカ以外何もない世界。
『……きもちわるい……』
アスカはそれだけ言って、内側から弾ける様にLCLへと還っていってしまった。
LCLになったアスカが、僕の腕や顔を濡らして行く。
僕はまた……拒絶されたんだ。
僕だけしかいなくなって、どれだけの時間が過ぎたのか覚えていない。
ただ紅いLCLの海が波打つ音だけが、唯一この世界に残った音。
誰も僕を見てくれない。
誰もアタシを見てくれない。
誰も僕の傍にいてくれない。
誰もアタシの傍にいてくれない。
誰も僕を誉めてくれない。
誰もアタシを誉めてくれない。
誰も僕を抱きしめてくれない。
誰もアタシを抱きしめてくれない。
……誰も……
……誰も……
それから更に、どれだけの時間が流れただろう。
食べ物もなく水もなく、昼も夜もない世界で、僕はじっとLCLの海を見つめていた。
そして僕は、自分の意識が次第に遠のいて行くのを感じた。
……あぁ……僕は死ぬんだな……
……あぁ……アタシは死ぬのね……
死ぬことへの恐怖はなかった。
でも消えて行く意識の中で、僕は最後に願っていた。
傷ついても良いから、僕を抱きしめてくれる人が欲しい……と。
傷ついても良いから、アタシだけを見てくれる人が欲しい……って。
『……あなたの願いを、かなえて上げるわ……』
意識が消える間際、僕はそんな声を聞いた気がした……
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“Neon Genesis Evangelion”
紅い海の調べ
Chapter−1 3年後
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「っは!?」
ぱっと見開いた目に、打ちっぱなしのコンクリートの天井が飛びこんでくる。
……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……
呼吸がひどく荒い、まるで全力疾走をした後みたいに。
……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……
しばらくしてようやく呼吸が落ちついたアタシは、ゆっくりとベットの上から降りた。
寝汗がひどい。
今すぐにでもシャワーを浴びないと、もう一度寝れそうになかった。
少しぬるめのシャワーが、身体をなぜていく。
僕はようやく、心のさざなみが落ち着いていくのを感じる。
「あの時の夢……か」
そして無理やり搾り出す様に、僕は小さく呟いていた。
紅い海だけの世界で意識を失って、再び目が覚めた時。
世界は、元に戻っていた。
でも全てが元に戻ったわけじゃない。
空は青いし生き物も戻ってきているけど、紅いLCLの海はそのままだ。
LCLの海から戻ってこない人の中には、僕の知ってる人もいる。
……父さん、綾波、ミサトさん、リツコさん……
他にも沢山いる。
そして、アスカも……戻ってきたと言う話は聞かない。
「……あれから3年、か……」
暖かいシャワーとは対照的に、僕の心はどんどん冷めていくようだった。
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