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【日中歴史研究】南京事件犠牲者数で溝 戦後史は見送り 日中共同歴史研究報告書 (2/3ページ)
このニュースのトピックス:中国
日中戦争での中国側の死傷者数をめぐっては、国民政府軍312万人、死者は約132万人、負傷者は180万人、中国共産党軍58万人超とした日本側に対し、中国側は「不完全な統計では、約3500万人が死傷した」とし、双方の数字に大きな差が出た。
昭和3年(28年)の張作霖爆殺事件、6年(31年)の柳条湖事件、12年(37年)の盧溝橋事件でも、日本の「侵略」意図を強調する中国側と、偶発や旧日本軍の一部による行為などとする日本側で隔たりを残した。ただ、中国側は、盧溝橋事件自体については「偶発的に起きた可能性がある」との見方に言及した。
一方、「古代・中近世史」では、日本が中国を中心とした国際秩序「冊封体制」に臣下として組み込まれていたとする中国側と、隋の時代以降、「朝貢はするが冊封は受けない」という関係にあったとする日本側の見解は分かれた。
また、沖縄県について、中国側は「(琉球時代)中国の冊封体制下にあった独立国だが、日本は横取りした」と指摘した。
◇日中歴史共同研究◇ 平成18年10月、訪中した安倍晋三首相(当時)と胡錦濤国家主席との首脳会談の合意に基づき、同年12月に始まった。両国の有識者各10人で構成され、「古代・中近世史」「近現代史」の分科会で双方が論文を提出し、議論した。日本側は北岡伸一東大教授、中国側は歩平・社会科学院近代史研究所長が座長を務めた。
日中平和友好条約締結30周年にあたる20年中に成果を発表する予定だったが、記述をめぐり意見が対立し何度も延期された。最終会合も中国側の意向で昨年12月まで開かれなかった。