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ウィルコム、携帯に敗北…2社に分割、再建図る簡易型携帯電話(PHS)大手ウィルコムが法的整理に追い込まれたのは、携帯電話大手との激しい競争で現行PHSの地盤沈下が進み、起死回生を狙った次世代PHSの投資負担がのしかかったためだ。 通信業界では料金プランや通信速度を巡る戦いは一段と激化しており、再建への道のりは 「2007年末以降、競争環境が予想以上に激化し、PHS事業の利益が期待通りに創出できなかった」。ウィルコムの久保田幸雄社長は18日の記者会見で悔しさをにじませた。 ピーク時の07年7月に約466万件の契約数を誇ったウィルコムのPHS事業は通信速度や料金、サービスなどで携帯電話各社に追い抜かれた。復活に向けて07年12月に免許を取得したのが通信速度が速い次世代PHSだ。 当初は現行PHSの利益で1400億円に上る次世代の投資負担を賄えると判断したものの、08年秋の金融ショックで予定していた借り換えや増資ができなくなり、09年9月には私的整理の一種である「事業再生ADR」の申請に追い込まれた。スポンサーや取引先金融機関を納得させるには、大胆なリストラが可能な法的整理しか残されていなかった。 再建計画は、〈1〉金融機関などに債権放棄を求め、既存株主が保有する株式を100%減資〈2〉現行PHS、次世代PHSをそれぞれ手がける2社に分割〈3〉現行PHS会社には投資ファンドのアドバンテッジパートナーズ、次世代PHS会社には同社とソフトバンクがそれぞれ出資する――という内容だ。ソフトバンクの出資比率は3分の1となる予定で、企業再生支援機構が運転資金として約100億円を融資する。 ライバル関係にあるソフトバンクが支援に乗り出した狙いは、次世代PHSを取り込んだデータ通信サービスを強化することにある。携帯各社の通話収入は割引競争で頭打ちだけに、動画や音楽などを素早くダウンロードできる高速無線のデータ収入で活路を開く考えだ。 しかし、再建の行方は不透明だ。97年には市場全体で700万件を超えた現行PHSは約420万件まで縮小した。久保田社長は「病院での活用など携帯電話と全く違う市場が存在する」と強調するが、通信会社幹部は「いずれ死に行く技術」と冷ややかだ。 高速無線競争は激化の一途をたどり、次世代PHSを巡る環境も厳しい。NTTドコモが今年末に始める「LTE」は家庭の光ファイバー並みの速度で、次世代PHSが優位を保てるか見通せない状況だ。 債権153億円、回収難航も…京セラ京セラ 京セラは18日、ウィルコムの会社更生法の適用申請に伴い、PHS端末の売掛金など同社に対する債権153億5000万円に取り立て不能、遅延の恐れがあると発表した。京セラはウィルコムの発行済み株式の30%を持つ第2位の株主で、2009年10〜12月期連結決算に株式の評価損200億円を計上している。 企業支援機構、出資見送り企業再生支援機構がウィルコム支援に乗り出すのは、債権放棄額を巡って取引金融機関との調整が行き詰まっていたためだ。昨秋から支援を打診されていた機構は、現行のPHS事業が黒字であり、法的整理による債権カットやスポンサー企業による出資が実現できれば再生は可能と判断した。 会社更生法を申請し、機構による支援を前提とした「事前調整型」の法的整理は日本航空の再建策と同じ枠組みだ。しかし、機構は今回、ウィルコムには出資せず、融資にとどめる。本来は中小企業を支援することが目的の機構が相次いで大企業の再建に乗り出せば、「機構を設立した趣旨から外れている」との批判が強まることに配慮したとの見方が強い。 日航支援では機構が自ら管財人を務めるなど関与が強いのに対し、今回は融資規模も100億円程度と小さく、ウィルコムも「パートナーの中の一つ」(久保田幸雄社長)と説明する。 ただ、機構に支援を打診している中堅・中小企業は130件を超える。取引先金融機関などが債権放棄額で合意できないなどの理由で延び延びになっているのが実情だが、今後も大企業を優先した支援が続けば、機構の存在理由が改めて問われることになりそうだ。
(2010年2月19日 読売新聞)
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