|
きょうのコラム「時鐘」 2010年2月20日
もはや旧聞に属するが、先の党首討論で鳩山首相が「母とは年に1度か2度会う」と述べたのが、いまだに引っかかっている
カネをもらった件とは別の次元になるが、同じ東京に居て年に1度か2度しか老母と会わないとは、辛い話である。首相の多忙さは分かる。だが、プライベートに過ごす時間がしばしば紹介されている。母に会うのが少な過ぎないか 野党は「電話もしないのか」などと攻めたが、口裏合わせなどといわず「もう少し母親をたずねたらいい」と心配すれば、退屈な党首討論にもっと耳を傾けた国民もいただろう。公の政治と私生活を混同したくはないが、元はと言えば鳩山家の私的問題が政治問題になったのだ 以前、橋本龍太郎元首相が毎週のように入院の母を見舞っていたのを思い出す。この見舞いにも見方は様々あった。が、多忙を理由に、首相がろくに母とも会えないとの理屈は通用しない一つの例ではある どんな家にも外からはうかがい知れない事情がある。差し出がましいが、せめて月に1度の訪問をすすめたい。物忘れもなく、懐かしい会話ができるうちだ。老母への孝行は。 |